「ずっと、時間もお金も、全部お前に使ったのに」“唯一のファン”だった男が新規ファンを遠ざけた日のお話
2014/06/08 13:30
【オタクに”なるほど”面白い!オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】
――地下アイドルの“深海”で隙間産業を営む姫乃たまが、ちょっと“耳の痛~い”業界事情をレポートします。
地下アイドルの活動って、切ないんです。
アイドルもファンもみんなが顔見知りの地下アイドルライブで、大事件は起こりません。しかし、知らず知らずのうちに、大きな事件は時々起こっているようで……。
その日のライブハウスには珍しく裏口があって、私ははしゃいでいました。私みたいな地下アイドルがライブをする会場って、たいてい出入り口がひとつで、帰りはファン同士が感想を言い合いながら待ってくれてて、しかも彼らは近所迷惑にならない出待ち場所まで熟知しているんです。
まあそれはともかく、その日はちょっと芸能人気分でも味わってみるか、と裏口から出てみました。開演前には降っていなかった雨が降り始めていて、困ったなと思った瞬間に、偶然それを見てしまったのです。
「もういい加減にしてよ!」
そう叫んで、彼女は男に傘を投げつけました。マスカラが雨で流れて、彼女の頬に張り付いていたのを覚えています。男は自他共に認める、彼女の一番熱心なファンでした。
最終更新:2014/06/08 13:30
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