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基礎部分がごっそり削られてむき出しになった学校も……

『進撃の巨人』の撮影の影響が心配される、軍艦島の現状

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 映画『007スカイフォール』のモデルにもなった、巨大な廃墟ビルがある。パッと見は、恐ろしい雰囲気だ。でも、草がボウボウに生えているので見えないけれど、中庭の部分には子ども向けの遊具がある。もともとは家族が住むアパートで、自宅の前で子どもたちを遊ばせていたのだ。ご飯時には、ビルの窓から

「ご飯だよ!!」

と子どもを呼ぶ声が止まなかったという。

 看護婦の寮と若者男性専門寮は隣り合って建っている。見張りの人が帰った後は、互いに懐中電灯で合図を送ったり、ひっそり逢瀬を重ねたりと、楽しい青春があったという。

 しかし、その寮の隣にあるのは、隔離病棟。軍艦島は密閉空間であるため、一度伝染病がはやってしまうと、なかなか収まらなかったという。そのため、その人たちを隔離するための病棟も設けられていたのだ。

 また、当時は、炭鉱の事故で亡くなる人もたくさんいたという。病院跡には、大量の点滴瓶や錆びついた医療道具が大量に転がっていて、背筋がゾクッとなった。

 それから、木材で作られた頑強な座敷牢も残っていた。石炭掘りには気の荒い人間も多く、ケンカは絶えなかった。警察に頼らずに、解決することも多かったそうだ。明るい生活だけではなく、こうした負の一面も垣間見えるところも、軍艦島の面白いところだろう。

 それから、見晴らしのいいビルの屋上に出た。島が見渡せるこの場所には、神社が建っている。バラバラに壊れているが、かろうじて社は残っていた。壁の柱には十字架が刻まれていて、これは職人さんがカトリックの信者だったからだそうだ。

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 屋上から見える光景は、めまいがするほどかっこよかった。そこには植物が育ち、まるでジャングルのような光景だ。もともと、ビルの屋上は、野菜の菜園にしていた。その畑に草木が根付いたのだろう。

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