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基礎部分がごっそり削られてむき出しになった学校も……

『進撃の巨人』の撮影の影響が心配される、軍艦島の現状

「池島編」はこちら

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 池島に上陸して1泊した翌朝、軍艦島コンシェルジュのかっこいい船で軍艦島(端島)へ向かう。軍艦島周辺の荒波でちょっと船酔いしてしまい、クラクラしながら上陸した。

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 原則、端島の内部は立入禁止で、長崎市の特別な許可と専門ガイドの案内が必要である。今回はイラストレーターや漫画家などクリエイター集団の取材旅行ということで、作品制作のために特別に許可をもらい、島のあらゆる建物を案内していただいた(普段は、一般観光客用の安全なコースでのみ見学可能)。

 せっかくの上陸なのに、船酔いで寝ていては仕方がない。しかし、眼前に広がる光景に、気持ち悪いのなんてすぐに吹っ飛んでしまった。

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 ボロボロに劣化したビルが密接した間隔で、ズラリと並ぶ。SF映画などではよく見る光景だが、リアルはやっぱり迫力が違う。

 ベランダは激しく壊れてガラスはとうの昔になくなっているし、壁は剥がれて鉄骨が丸見えになっている。足元には、破壊されたコンクリートや木材がバラバラと転がっている。そんな風景の中を歩いているだけで、ワクワクと興奮してくる。

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 昔、映画館だったという建物は、堤防を越えて打ち寄せた波に破壊されて、跡形もなかった。当時は最新の映画を毎日上映した、軍艦島一番の娯楽スポットだったそうだ。

 島の内部では、植物が建物を蹂躙しながら成長している。ビルとビルの間の狭い空間には、観賞用の樹がコンクリートを破って根を張り、葉を広げている。その光景はカンボジア王国のアンコール遺跡にも似ていて、ジーンと感動した。鳥が運んだのだろうか、植物は建物の内部でも成長している。部屋の真ん中にニョキッとサボテンが生えていて、ドキッとした。

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 軍艦島は島中のすべてが廃墟だけれど、昔は大勢の人が住んでいた。世界でも有数の人口密集地帯だった。廃墟を歩いていると、過去の生活の残滓が見えてくる気がする。

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