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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 九州の旧炭鉱・池島に上陸!

九州で一番最後まで操業していた炭鉱・池島に上陸! 目の前に広がる“スチームパンク”な世界とは?

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 昨年、今話題の軍艦島のツアーに誘われた。イラストレーターや漫画家など、クリエイターの集団で見学に行く取材旅行だ。

 待ち合わせ場所は、長崎県の佐世保。港で船に乗り、まずは池島に向かう。

 勉強が足りない僕は、池島という場所のことをまったく知らなかった。正直、船に乗るまで、軍艦島に行くための中継場所なのだろう……くらいに思っていたのだ。

 しかし池島も、軍艦島と同じく炭鉱の島として栄えた場所なのだ。軍艦島は1974年に閉山しているが、池島は2001年まで操業しており、九州では一番最後まで操業していた炭鉱だ。

 上空からの写真を見ると、島の名前の由来ともなっている大きな池がある。もともとは本当の池だったが、今は海につなげられて、港になっている。

 しばらく船に揺られていると、その港が見えてきた。そこには、船に石炭を積み込むための重機が置かれている。普段あまり見ない、巨大なサイズの重機に心が踊る。

 上陸すると早速、すでに使われていない巨大な建築物が目に入ってきた。島の電力を補っていた火力発電所、炭を運ぶベルトを巻き上げる巨大な巻き上げ機……などなどである。

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 赤黒いサビを出す巨大な鉄の固まり。男なら誰もが、

「かっこいいぜ~!!」

としびれてしまう建物群なのだ。

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 島の内部には、炭鉱で働いていた人たちが住んでいたマンションが並んでいる。本州にある廃墟はすぐにバカが入り込んで落書きしたり窓を割ったりしてしまうが、島という環境のため、どの建物もとてもキレイな状態だ。

 とはいえ、人が住まなくなって何年もたつ建物である。全面にツタが覆っているビルもあるし、生い茂った雑草の中に打ち捨てられた車が転がっていたりする。ウィル・スミスが地球でたったひとり生き残る映画『アイ・アム・レジェンド』を思い出した。歩いているとふと、自分が映画の中を歩いているのではないかと勘違いしてしまう。

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 大小すべてのアパートの横にはもれなく、白いパイプが走っている。ところどころ劣化で壊れてしまっているが、もともと何をするものだったのかを聞くと、温かい蒸気を送るパイプだったという。暖房、浴場などは、それでまかなえたそうだ。まさに“スチームパンク”な島だったのだ。

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