事故から1カ月……韓国沈没船の実質オーナーは、カネにまみれた新興宗教の教祖だった!?
#宗教 #韓国
「事故に適正に対処できなかった最終責任は自分にある」
パク・クネ大統領は19日、国民に向けた談話を発表し、涙ながらに謝罪した。その中で「業者の異常な利益追求があった」とも指摘し、「貪欲に得た利益は、すべて被害者の賠償の財源として活用する」と明かした。
パク大統領が念頭に置いた人物は、セウォル号の運航会社・清海鎮(チョンヘジン)海運の実質的なオーナーであるユ・ビョンオン元会長だ。彼をはじめとするユ一族は、なんと2,400億ウォン(約240億円)の財産を有するといわれている。
沈没したセウォル号には清海鎮海運の指示のもと、規定の2倍近い荷が積載されていたことが発覚。そんな利益追求型の清海鎮海運は、また、顧問料としてユ元会長に毎月約100万円を支払っていた。これも彼の莫大な財産の資金源の一つであろう。ただ、より注目を集めているのは、ユ元会長が“キリスト教福音浸礼会(救援派)”の教祖という点だ。
キリスト教福音浸礼会とは、1962年に設立された新興宗教団体のこと。同団体の公式ホームページには、「私たちは何を信じているか」と題して、「聖書」や「キリスト」「天国」「人間の罪」など「12つの基本教理」が掲げられている。一見、キリスト教との違いが見えてこないが、韓国基督教総連合会(CCK)は「名称に“キリスト教”と使っているが、韓国のキリスト教の正統教団とはまったく関係のない、疑似・異端集団」などと断定している。
確かに、彼らの実態は怪しいといわざるを得ない。韓国のテレビ局SBSが報道した救援派の活動風景には、その“異端さ”がよく表れている。そこで指導部は、宗教が復興するためには“鉄の粉”が必要とし、信者たちにそれを捧げよと説教していた。“鉄の粉”とは、カネの隠語。つまり、信者たちを食いものにする本性が映し出されていたのだ。「清海鎮海運の職員の90%が救援派信者」との証言もあるだけに、ユ元会長は厳しい追及を免れない。
実際に検察は、ユ元会長とその家族を検挙し、法のもとに裁くと意気込んでいる。ユ一族は、1,000億ウォンを超える横領・背任や脱税容疑を受けており、無期懲役まで可能な罪質だという。一方で、救援派の総本山である京畿道・水原には、多数の信者たちが集結し、「政府は宗教の自由を保障しろ」「宗教弾圧OUT、人権弾圧OUT」などと書かれたプラカードを持って対抗。信者らは、政府が国民の批判の矛先を自分たちにすり替えていると主張しているわけだ。ちなみに肝心のユ元会長は現在、検察の出頭命令に応じず、行方をくらましている。
事故発生から丸1カ月が過ぎ、パク大統領が涙の謝罪をしても、いまだに終着点が見えないセウォル号沈没事故。ユ元会長を取り巻く“宗教騒動”は、さらなる混乱につながりそうだ。
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