パクリ? オマージュ? 人気街道驀進中の『ラブライブ!』に突如降りかかったパクリ騒動
#アニメ #アニメ時評 #ラブライブ!
さらに京極尚彦監督が、過去に「自宅で休んでいましたがコンテは描いてました。どなたかアニメ以外で面白いドラマあれば教えて下さい、うまくパクる…いや引用できる演出があればと…個人的には海外の方がハングリーな作りの作品が多い気がしています」(原文ママ)というツイートをしていたことが発覚。今回のパクリは意図的なものだったのでは、という声も上がっており、鎮火の気配はいまだうかがえない。
ちなみに『ラブライブ!』は今回以外にも、発表されている多数の楽曲が既存のJ-POPや洋楽のパクリではないか、という声が以前から多く上がっていた。しかし、アニメ化のはるか以前に行われていたイベントにおいて、『ラブライブ!』制作プロデューサーは「『ラブライブ!』は、それぞれの時代を彩った音楽やアイドルの元ネタを盛り込んでいる。μ’s(『ラブライブ!』のアイドル・グループのこと)が歌うならこうなる、というのがコンセプト」という趣旨の発言をしていたことがあるほか、アニメソングのクリエイター事情に詳しい関係者によると「『ラブライブ!』は楽曲を発注する際に、“こういうイメージの曲でやってほしい”という非常に詳細なオーダーが来るそうです。そこでは元ネタの名前も具体的に出ることもある」そうだ。
そう考えると、今回の騒動においても「パクリ」というよりも、元ネタを『ラブライブ!』流に料理するとこうなる――。というコンセプトの元に行われていた、ある種のオマージュである可能性も捨てきれない。
ともあれ、「みんなで叶える物語」というテーマの下、ハイペースで急成長してきた本作にとって、今回の騒動は冷や水を浴びせることになりかねない。ちょうど物語は折り返し地点を過ぎたところである。クライマックスに向けて、誰にも文句を言わせないオリジナルの感動を期待したいところである。
(文=龍崎珠樹)
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