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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 開き直った『バイキング』の船出
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第56回

「失敗こそが人生さ」開き直った『バイキング』の新たな船出

「呼ばれた! 呼ばれた! どうしよう!」

 『バイキング』のオープニングで、自分の名前が呼ばれたことに慌てた日村。実は、日村は『ノンストップ!』も見ていて、自分ではなく直太朗の名前が呼ばれたことに悔しがっていたという。すぐに着替え、番組終了15分ほど前にスタジオにやってきた日村。手土産まで持参するという、完璧なパフォーマンスだった。その翌日深夜の『バナナムーンGOLD』では、呼びかけに即座に応じた日村の行動を「さすがだな」と絶賛した設楽に、日村も「愛情感じましたよ」と褒め合い、冗談っぽく笑っていたが、実際そういったムチャぶりにも即座に対応する柔軟さが、面白さにつながっていくのだ。

 「即興ソングを作って」というムチャぶりをされ、時間内にそれを作り上げた直太朗も同じだ。そのタイトルは「いつか必ずつかメンディー」。レギュラーの関口メンディーが、番組内で多用するフレーズを使ったタイトルだ。

 「お昼の荒波に飛び出した 水曜バイキング♪」と歌い出すと、一気に森山直太朗のステージへと変わる名曲だった。

 この翌週の放送では、メンディーのダイオウイカ捕獲ロケに小木が志願し、ダイオウイカこそ釣れなかったものの、巨大なアブラボウズを釣り上げたり、ケンドーコバヤシと唐橋ユミに仕切り役を任せた新コーナーができてケンコバがイキイキとふざけ出したりと、どんどんデタラメっぷりが増してきている。直太朗は「いつか必ずつかメンディー」で「失敗こそが人生さ♪」と歌った。

 番組開始当初、失敗を恐れ、何重にも保険をかけた企画が多かった。だが、それは逆に番組のダイナミズムを奪ってしまった。せっかく頭のおかしなキャスティングをしているのだから、それをそのまま生かせばいい。そう開き直ることこそ、成功への近道だと、この2週の水曜『バイキング』は確信させる放送だった。そして、それは『バイキング』の新たな船出を予感させてくれるのだ。

「ダイオウイカよりでっかいハート いつか必ず つかメンディー♪」
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 17:59
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