「撮影初日の自慰シーンで、逆に開き直れた」初SMプレイに挑んだ天乃舞衣子が出会った、新たな“快感”とは?
#映画 #インタビュー
――SMや緊縛には、どんなイメージを持っていましたか?
天乃 見ることのないものだと思っていました。イメージとしては、男性のもの、エロティックなもの。まさか自分が映画でやるなんて思ってもいなくて。撮影に入る前に、体にどれぐらい傷や痕がつくかを見るために体験緊縛というものをやったんです。縛られること自体は特に痛くなかったのに、ブワーッと湿疹みたいなのが出てきてしまって。服の上から縛られていたので、脱いだときにびっくりしましたね。初めてだったから、体が驚いたのかも。でも、そうやっていくうちに体が少しずつ縄になじんでいくらしくて、傷がどんどんつかなくなるんですよ。人間って、すごい適応能力ですよね(笑)。
――裸で縛られるって、どんな感覚なんでしょう?
天乃 プロの緊縛師の方にちゃんと縛ってもらうと、ギュッと抱きしめられているような、しっかりとした安心感があるんですよ。宙吊りは床で縛ってもらってから上に吊ってもらうんですが、浮いたときは、今まで体験したことのないアトラクションのような不思議な感覚で面白かったですね。縛られるコツは、自然と受け入れることだと思います。緊縛自体はそんなに痛みはないので。でも、鞭で打たれるのは本当に痛かったですよ(笑)。鞭ってこんな叩き方をするんだって思うぐらい、いろんな叩かれ方をされましたし、みみず腫れもアザもできましたから。M役になって思ったのは、思いきり叩いてもらえることが、すごくうれしいということ。それが快感になるんでしょうね。でも私自身は、SとMどちらもある気がします。
――逆に、誰かを調教したくなったのでは?
天乃 やってみたいですね。思いっきり鞭で叩いてみたいです(笑)。
――いま、表情がすごく輝きましたよ(笑)。それほどまでに苦労しただけあり、緊縛ショーは芸術的なシーンになりましたね。
天乃 そうなんです、だから男性だけでなく女性に見てほしいという思いもあるんですよね。緊縛ショーのシーンでは私を含めた3人の女性が縛られてつなげられて、一斉に宙に吊られるのですが、私たちがつらくないようにと、一発で撮るぞという張りつめた空気になっていました。みんなで作り上げたという達成感で、撮影が終わって寂しかったほど。もう縛られることはないのかって思ってたんですけど、写真集の撮影でまた縛られたので、もっと見たい方はぜひ写真集も見てください(笑)。
――撮影期間中の精神状態は、どんな感じでしたか?
天乃 今まで生きてきた中で、一番の極限状態だったと思います。家に帰っても撮影が休みの日でも、なんにも手につかない。役に入り込んでしまっているのか、しっかり寝ることもできなくて。現場が嫌で行きたくないとかではなく、そういうことも考えられないぐらい没頭していましたね。明日のシーンのことを考えるというよりは、次なにがあるかわからないという恐怖と期待。橋本監督は何をしてくるかわからないからと、下準備もしっかりして。そんな毎日が楽しみでもありました。だから撮影中は毎日、生きることで必死(笑)。でも撮影をしていく中で、どんどん気持ちが前向きになって、スタッフさんたちもみんな「早く観たいね」って撮影中から言っていたほどなんですよ。それぐらい橋本監督を信じることができたし、作品のことも信じていたということだと思います。
――天乃さんがお芝居に興味を持ったきっかけは、なんだったんですか?
天乃 舞台に出たことですね。デビュー当時はグラビアやタレント業をやっていたんですが、初めて女優として舞台に立ったときの感動は忘れられません。周りの役者さんから受ける感情がとても新鮮で、心地よくて。もっといろんな感情に出会ってみたい、もっといろんな役に出会いたいなって、すごく思いました。
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