「なるべくちっちゃいことのほうがいい」あばれる君が生み出す“パンチライン”の秘密
#お笑い #インタビュー
汗をかきながら全力で演じる「熱血コント」で人気急上昇中のピン芸人・あばれる君。最近では、『なら婚』(日本テレビ)という番組の企画で結婚式を挙げたことでも話題となった。
そんな彼が5月28日、初めてのDVD『あばれる君です よろしくお願いします。』をリリースする。あの珠玉のコントは、どうやって作られているのだろうか?
――街で一般の人に気付かれたり、声をかけられたりすることはありますか?
あばれる君 ありますね、ありがたいことに。そういうときは、倍の笑顔で「ありがとうございます!」って返します。
――どういうふうに声をかけられますか?
あばれる君 「あばれる君ですか?」っていうときもありますし、「なんだっけ?」って言われて自分から名乗ることもあります。一番ひどいときには「スタミナさんですか?」って(笑)。雰囲気は近いんですけどね。
――ネタはどうやって作っていますか?
あばれる君 基本的には家で考えますね。パソコンは使わずに、紙に書きます。「人間が追い込まれたときにどうやって脱するか」っていうのをポイントに置いています。
――なるほど! 確かに、そういう設定のネタが多いですね。
あばれる君 そうですね。追い込まれるときって、できるだけちっちゃいことのほうがいい気がするんです。たとえば、大工がトンカチを忘れて釘打つのどうするのかって考えて、手で打とうとするとか。トイレに行きたいのに先客がなかなか出てこないとか。できるだけちっちゃいことを壮大にやる、っていう感じですね。
小学校のときにダンスのテストみたいなのがあって、体育の先生の前でダンスをしないといけなかったんです。そこで僕の友達が動きをまったく覚えてなくて、アドリブで踊り出したんですよ。その姿がめちゃくちゃ面白くて。覚えてないと怒られるから、どうにかしようとしたんです。追い込まれても決してあきらめない人間って面白いなあ、と思ったのはそれがきっかけですね。
――あばれる君のネタの中には、「怖くないって言ったらウソになります」とか、妙に印象に残るフレーズが多いですね。
あばれる君 ありがとうございます! 自分ではそういうのを「パンチライン」って呼んでるんですけど。そこが好きですね。それを言いたくて、そこに持っていくにはどうするかって考えます。「俺の尿意は時間を選んでくれない」とか。
――お笑いをやるきっかけは?
あばれる君 お笑いは子どもの頃から好きでした。小学生から『めちゃイケ』(フジテレビ系)見てて、中1で『オンバト』(NHK)ブームが到来して。そのときから「お笑い芸人って最強だな」って思ってたんですよ。歌手だったら歌手だけなんですけど、芸人だったら歌もできるしドラマにも出られるし。
――小さい頃から芸人になりたいという気持ちはあったんですか?
あばれる君 ありましたね。ムードメーカーと呼ばれて、クラスでも目立つほうでした。小4のときに演劇部に入って、「バラ星人」っていう自分の脚本の演劇を披露して、大ウケでした。高校では室伏広治さんのものまねを文化祭でやって、めっちゃウケましたね。大仏の仮面をかぶった状態で、それを脱いでハンマーを投げて「フォー!」って叫ぶ、っていう。
――高校でウケそうなネタですね(笑)。
あばれる君 そう、あのときはすごかったなあ。高校でブレークしましたから。大学で東京に出てきて、田舎者だと思われたくないっていうのがあって、ちょっとスレました。眠いのに、無理してクラブとか行って、意地張ってるところはありましたね。眠いしうるさいし、ソファと耳栓が欲しかったです。
――楽しくなかったんですか?
あばれる君 まあ、楽しいときもありましたけど、あんまり楽しくはなかったですね。クラブで踊るってことができなかったんで。
――お笑いの養成所に入ったのは大学時代ですか?
あばれる君 はい、大学4年の頃です。ちょうどみんなが就活したりしているときに、僕は養成所に入りました。最初はコンビを組んで、1~2週間ぐらいやってたんですけど、合わなかったですね。相手が仮病使ってネタ合わせを休んじゃったりして。次の日も体調が悪いふりとかしていて。でも、絶対ウソなんですよ。二郎ラーメン大盛りを食べてたし。
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