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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 陣内智則の「2つの顔」
お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第119回

陣内智則 “大女優との離婚”で受け入れた「ありのままの2つの顔」とは

jinnai0510.jpg吉本興業公式サイトより

 5月4日、陣内智則が『アッコにおまかせ!』(TBS系)に出演。その中で「アナと『アナと雪の女王』見た」と発言した。大ヒット中のディズニー映画『アナと雪の女王』を誰と一緒に見に行ったのか問い詰められて、交際中とウワサされるフジテレビの松村未央アナウンサーと行ったことをほのめかし、笑いを誘っていた。

 いまや陣内は、押しも押されもしないお笑い芸人の1人となった。「離婚」「浮気」「二股」というキーワードで芸人仲間には徹底的にイジり倒され、世の女性たちからは冷たい視線を浴びせられながらも、しぶとく這い上がって現在のポジションを確立した。彼がここまでたどり着くには、人知れぬ苦難の歴史があった。

 陣内は、リミテッドというコンビでデビュー。大阪の心斎橋筋2丁目劇場を拠点に、活動を続けていた。のちにピン芸人となった陣内は、映像と音を使った1人コントを開発。分かりやすく万人受けするネタを量産して、『爆笑オンエアバトル』(NHK)、『エンタの神様』(日本テレビ系)といったネタ番組にも数多く出演。朝の情報番組『なるトモ!』(読売テレビ)などではMCを務めた。

 若手の頃、芸人としての陣内には2つの顔があった。「ネタもMCもそつなくこなす器用なキャラ」と、「先輩芸人からイジられる、底抜けの天然キャラ」だ。これらは「ツッコミ気質」と「ボケ気質」と言い換えてもいい。いわば、陣内は、芸風としてはツッコミ寄りでありながら、同時に天然ボケという一面も備えていたのだ。

 陣内の天然エピソードは、彼をよく知る千原ジュニアやケンドーコバヤシといった先輩芸人によってしばしば語られてきた。黒いゴミ袋を黒猫と見間違えて話しかけていた事件、濡れた犬を電子レンジで乾かそうとした事件などは特に有名だ。

 見た目も芸もスマートで、誰にでもズケズケと攻めていく大胆さもあるのに、本人は隙だらけでイジられやすい。しっかりしているようで、抜けているところもある。この2つの異なるキャラクターをどう両立させるべきか、というのが彼の長年の課題だった。

 ところがある日、このギャップが一気に埋まるきっかけが訪れた。それが、女優・藤原紀香との離婚騒動だ。2人は2007年に結婚。大物女優と若手芸人の「格差婚」は大きな話題となり、結婚式はテレビ中継されて24.7%という高視聴率をマークした。

 そんな彼らが09年に離婚。原因は陣内の浮気だと報じられた。世の女性たちにとって「浮気する男」ほど忌み嫌われるものはない。この騒動で陣内は「最低の男」という烙印を押されてしまった。バッシングの嵐の中で彼も深く傷つき、大きな精神的ダメージを負ったことは想像に難くない。

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