“聖なる儀式”としてのカニバリズム(人肉嗜食)! 伝統を尊ぶ一家に代々伝わる秘密のレシピ『肉』
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降り続ける豪雨の中、昔ながらの質素で慎ましい生活を送っているパーカー家のエマ夫人が不意に亡くなる。地元の医師は亡くなる直前のエマの手足がパーキンソン病の患者のように震えていたこと、またエマの死体を検死したところ、脳が部分的に萎縮していたことを知る。ニューギニアの奥地で暮らす食人族が狂牛病によく似た症状を患っていたのによく似ている。一体、パーカー家の人々はどんな食生活を送っているのだろうか。
母親のエマを失い、パーカー家の子どもたちは動揺していた。パーカー家では毎年この時期に断食を行ない、断食明けには家族そろって晩餐を囲むことになっている。晩餐用の料理は、これまでずっとエマが用意してきた。厳格な父親フランク(ビル・セイジ)は、うら若い美人姉妹アイリス(アンビル・チルダース)とローズ(ジュリア・ガーナー)に、エマに代わって晩餐の準備をするように命じる。地下室に繋がれた“生け贄”を屠殺し、食肉として調理しなくてはならないという、少女たちにとっては過酷すぎるパーカー家の伝統儀式だった。
パーカー家の人々が人肉を食するようになったのは、アメリカが独立して間もない18世紀後半にまで遡る。新大陸に移り住んだものの、未開の土地でパーカー家の先祖たちは食べる物に困り、餓死寸前だった。森へ出掛けた叔父が戻らず、そして体が衰弱していた母も姿を消した。代わりに新鮮な肉がそこには残されていた。こうしてパーカー家は苦難の時代を生き延び、その後は身内以外から生け贄を探し出して現在に至っている。パーカー家にとって食人行為は、一族の繁栄と家族の絆を確かめ合う大切な儀式だったのだ。父親に逆らうこともできず、まだ幼い弟もいるため家から逃げ出すこともできず、アイリスとローズは初代パーカーが書き残した秘伝のレシピを参考に人肉料理に取り掛かる。
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