元・名物編集長が古巣に愛のムチ!「『フライデー』はなぜ面白くなくなったのか」
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
ネームバリューでいえば、井上真央と嵐の松本潤の「密会」のほうがあると思うのだが、表紙の扱いも小さいのはなぜか? 読んでみたら、深夜の密会までは追いかけたが、その後、井上は自宅に帰ってしまったそうだ。ウワサ通り、2人が人目を忍んで会っていることは確かなようだが、それ以上は確認できていない。だから小さいのね。了解!
いつも新聞広告を見て不思議に思うのだが、右のトップに硬派記事を出すのはなぜなのだろう。
今週も、本文ページのトップは「オバマ大統領と安倍首相 笑顔の裏で『互いのここを信じない』」であるが、取り立ててフライデーらしい情報も写真もない。
次も韓国船が沈没した記事だが、写真は共同通信と時事通信からのものである。こうした事故や事件に、いまやカメラマンを派遣しないのであろう。写真が命の写真誌の写真が「借り写真」では寂しい。
NHK籾井会長が料亭から出てきたところを撮っているが、失礼だが「ただ撮りました」というだけの写真では……。
積水ハウスの新築マンション手抜き工事告発記事は、写真はともかく、評価したい。それと銀座の有名ママで1億7000万円を脱税した佐藤成子(69)をバッチリ撮って、彼女が08年にも2億4000万円を脱税した罪で在宅起訴され、有罪判決を受けているので、今回は実刑を免れないという記事にも拍手。恐れ入ったババ・ママだね。
合併号だからか「袋とじ」は3本と大奮発。ミス東スポグランプリの木嶋のりこ、創刊30周年記念特別企画(そうか~、30年もたつんだ)、大女優たちの「歴史的SEXY写真」、それとTBSの『サンデー・ジャポン』とやらでおなじみだそうだが「尾台あけみ 奇跡のヘアヌード」。57歳のヘアヌードって見たいかね?
私は開かずに次へ行く。岩手県で17歳の少女を殺害したとして全国に指名手配されている容疑者の父親が、息子が犯人と断定され、名誉を毀損されたとして、国と岩手県を相手に損害賠償を求めているが、この事件、確かに謎が多く不可解な事件である。
憲法9条をノーベル賞の正式候補としてノミネートさせることに尽力した神奈川県の主婦の写真と記事だが、写真はもっと工夫してほしかったね。
化粧品会社の会長から8億円借りたことがバレて党首を辞任した渡辺喜美とその妻・まゆみが、初めてカネを受け取った直後に、その会社のカタログに登場してPRしていたという記事も評価したいが、いくらなんでも遅すぎる。
美人スイマーの寺川綾と夫の「恋人時代の大胆キス」というのも首を傾げる。今さらだし、左側の居酒屋の飲み会での「隠れキス」写真は、以前載せたものではなかったか?
よくわからないのが、巻末のカラーグラビア「動物たちの一生懸命交尾10態」。ほほえましいが、何も貴重なカラーを使ってやらなくてもいいのでは……。
一番よかったのは、巻末の「突撃! 噂の行列メシ」だ。東京・本所吾妻橋「野口鮮魚店」の海鮮ちらし(上)は見事なマグロやウニがたっぷりのっていて1544円だそうだ。
私の母親が住んでいたあたりだから、今度墓参りの帰りにでも寄ってみよう。とまあ、見てきたが、これで420円(合併号)は高いのではないか。何度も言うようだが、驚きのある写真がほとんどないし、フライデーで小難しい政治や外交の話を読みたいとは、読者の多くが思わないのではないか。編集長! 早めの手直しが必要だと、老OBは思うのだが。
お次は、文春のワースト記事。
「朴(槿恵=筆者注)大統領の周囲は反対したそうです。こうしたときは、国の指導者として、あらゆる情報を総合して、大局的に判断をしなければならない。しかしその反対を押し切った。現地でのパフォーマンスは怠りなく、家族らに情報を伝えられるよう大画面のテレビを体育館に持って来させたり、男性から電話番号を書いた紙を渡され、激励の電話をかけたりしていた。こんな細かいことを、国のトップがやっている場合ではないでしょう。東日本大震災の際、当時の菅直人総理が福島第一原発上空を視察して、現場を混乱させた様子を彷彿とさせました」
これは、文春の中のソウル特派員のコメントである。
韓国政府の対応のまずさや、船長たち乗組員の“非常識”な行動は批判されてしかるべきである。その上、首相が責任を取って辞任をすることになった。だが、このタイトルは気になる。「300人を見殺しにした」のは朴槿恵大統領ではなく、船長たちである。テレビで見る限り、朴大統領は泣き怒る遺族や行方不明者の家族たちの疑問や怒りに真摯に対応しているように、私には見えた。
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