あなたのケータイ代、高すぎない? 注目を集める「LCCスマホ」とは
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普段使っているスマホに、毎月いくら支払っているだろうか? 電話をあまり使わなくても6,000~7,000円、端末料金が加算されている場合は、8,000円を超える人もいるだろう。大手キャリアだとそれほど価格差はないが、今注目を集めているのがLCCだ。
LCCとはローコストキャリアの略で、格安で端末や通信回線を提供する事業者のこと。例えば、イオンは8,000台限定で格安スマホを発売。端末料金とデータ通信、音声通信の基本コストを全部合わせて月額2,980円となっている。ビックカメラは1,000台限定で、込み込み月額2,830円と格安だ。
大手キャリアの半額以下という価格を出せる理由はいくつかある。まずは、端末の調達コストが安いのだ。イオンは「Google Nexus 4」を採用している。Googleのリファレンス端末だが、発売は2012年11月。1年半前に登場した端末なのだ。Android OSこそ4.4に対応しているが、1~2世代古いことは確か。ビックカメラは「FleaPhone CP-F03a」。あまりなじみのない、COVIAというメーカーのシンプルな端末だ。
次に、通信機能に制限がある。MVNOと呼ばれる回線を利用しており、接続速度など大手キャリアとは大きく異なるのだ。イオンのスマホは「b-mobile SIM」を搭載し、データ通信速度は200kbpsと遅い。ビックカメラは14.4Mbpsだが、通信量は月に1GBまで。容量を超えると200kbpsに制限される。
4GやLTEをうたうサービスは、最大通信速度が75Mbpsと速い。一部の地域ではさらに高速通信が可能だ。それと比べると、200kbpsは段違いに遅い。動画のストリーミング再生は絶望的だし、アプリのダウンロードはもちろん、大きな画像の表示もつらいかもしれない。とはいえ、ウェブの閲覧やメールの送受信はできるし、LINEやソーシャルゲームのような通信量が少ないアプリなら問題なく利用できる。
ほかには、ドコモやソフトバンクなどのキャリアメールが使えなくなり、留守番電話やキャッチホンなどの機能が利用できないこともある。端末によるのだが、今のところはおサイフケータイも利用できない。
これらのデメリットを納得できるなら、月額コストを大きく抑えられるLCCはオススメ。2台目需要だったり、ウェブの閲覧やメールの送受信といったライトユースであれば問題なし。MNP(番号ポータビリティ)による高額キャッシュバックがなくなった今、LCCの存在感が増している。大手キャリアからLCCへのMNPも可能だ。
今後は、関西電力系の通信会社であるケイ・オプティコムやヨドバシカメラもLCCへの参入を予定している。この夏は、スマホ市場が大きく揺れそうだ。
(文=柳谷智宣)
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