デタラメを極める『リバースエッジ大川端探偵社』深夜ドラマの本能
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全編が女性のあえぎ声。そんな次回予告、AV以外であり得るだろうか?
それをやってしまったのが『リバースエッジ大川端探偵社』(テレビ東京系)だ。渋い大人の物語だった第1話が終わった直後に流れた第2話の予告は、ストーリーの説明らしきものは一切なく、ただただ下着姿の女性が複数の男たちに身体中をまさぐられ悶える映像。そのタイトルは、そのものずばり「セックスファンタジー」。衝撃的だった。
『リバースエッジ』の監督・脚本は大根仁。同枠のドラマ『モテキ』を映画化し、大ヒットさせたことでも記憶に新しい“深夜ドラマ番長”だ。大根にとって“ホーム”といえるテレ東深夜の「ドラマ24」の枠。前作は『まほろ駅前番外地』。便利屋を舞台にしたドラマだった。
第1話の冒頭で「便利屋と探偵っていうのはどう違うんだ?」と尋ねる依頼人に「たいした違いはないんですが、うちではゴミ屋敷の掃除や代理の墓参りはやりませんが、逆に便利屋さんは人探しはやらないんじゃないですか?」と答えたように、今回は探偵モノだ。主演は、大川端探偵社の調査員・村木役のオダギリジョー。その所長役に石橋蓮司。受付のメグミ役を小泉麻耶が演じている。
依頼人が来て、それを解決していくという探偵ドラマの王道を踏襲しているが、従来の探偵モノと大きく異なるのは、探偵側の人物が没個性だということだ。村木は予知夢を見ること以外、大きな特徴はなく、オダギリジョーもほとんど無表情で村木を演じている。感情を露わにすることは滅多にない。
逆に、個性的なのは依頼人だ。第2話の依頼人の女(星野あかり)は、過剰なほど妖艶なセリフ回しで「探してほしいものがある」という。それは「鏡越しに隣の部屋のセックスが覗けるラブホテル」。本当の依頼人は男性ではないかと問う村木に、女は艶やかにほほえんで答える。
「男性は余命いくばくかが分かってくると、自分がやり残したことや、追体験をしたくなるものでしょうか? 特にセックスに関して。エロを極めたい衝動に駆られる……と申しましょうか。お察しの通り正式な依頼者はわたくしの主人でして、ヘンタイですの。ウッフフフフ」
物語の舞台は下町・浅草。一般的に下町は「人情」の町といわれるが、このドラマではそうは描かれていない。
「下町に人情なんかないですよ。テーマパークと変わらない。カネを払う客にはいかにも下町らしいキャラクターを演じてるだけです」
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