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“爆音”の聖地・吉祥寺バウスシアターが閉館!! さよなら企画「ラストバウス」を5月末まで上映

■吉祥寺はメジャーとインディーズが共存する街

matsue_p.jpgハモニカ横丁で「おふくろ屋台」を経営する松江さん。「魅力的な街であり続けるか、つまらない街になるか、今の吉祥寺は分岐点にある」と話す。

 吉祥寺を舞台にした映画を製作し続けている「武蔵野映画社」の代表・松江勇武さんにも話を聞いた。松江さんは映画プロデューサーであり、また吉祥寺の人気グルメスポットであるハモニカ横丁の「おふくろ屋台」の店主でもある。松江さんが企画プロデュースした最新作『さよならケーキとふしぎなランプ』はバウスのクロージング作品として上映される。

松江 「バウスが閉館すると知らされたのは2013年の年末です。吉祥寺でお店をやっていることもあり、夏ごろに『バウスが売りに出されるらしい』という噂は耳にしていたんですが、年末にバウスのスタッフから『すみません、バウスが閉まることになったんです』と頭を下げられたときは驚きました。吉祥寺でロケした『さよならケーキとふしぎなランプ』は2014年秋にバウスで公開するつもりでバウスのスタッフとも準備を進めていましたから。本当は映画祭などに出品し、じっくり宣伝活動をしてから公開したかったんですが、バウスで上映することを前提に撮った作品だったので、スタッフや関係者を説得して回って、バウスのクロージングに間に合うよう、大急ぎで仕上げているところなんです」

 香川県出身の松江さんだが、10年前から知人の紹介で「おふくろ屋台」を始め、すっかり吉祥寺という街に居心地のよさを感じている。お店の常連客に映画監督たちがいたことから、松江さん自身も映画製作に興味を持つようになり、『セバスチャン』(09)『あまっちょろいラブソング』(10)『あんてるさんの花』(12)、そして『さよならケーキとふしぎなランプ』と吉祥寺を舞台にした映画を作り続けてきた。

松江 「吉祥寺という街の魅力は、吉祥寺駅を中心にして徒歩圏内に大型商業施設が点在し、その間を繋ぐように個人経営の商店が建ち並んでいる。そして、その中にライブハウスやバウスシアターのように文化を発信する拠点もあるということです。普通、大型店と商店街の人って仲が悪いものですが、吉祥寺では月イチとかでデパートの人や商店街の人たちが集まって飲み会を開くなどしているんです。メジャーなものとインディペンデント的なものが非常にバランスよく共存している珍しい街だと思います。映画に関してまったく素人だった僕が初めて作った『セバスチャン』をバウスでひと晩だけ上映したときも、お金がないので近場で撮影したわけなんですが(笑)、撮影に協力してくれたお店の人たちが声を掛け合って集まってくれて、バウスのシアター1が満席になったんです。映画を作ること、上映することの面白さを吉祥寺で教えてもらったので、その後も吉祥寺にこだわって、誰でも気軽に楽しむことができる映画を作り続けてきたんです」

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