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週刊誌スクープ大賞

狙いは医療費抑制か――日本人間ドック協会の「新基準」で健康な人が増える!?

 この報道と現実のギャップに誰より慌てたのが、安倍首相当その人だった。総理は、株価急落が止まらないことに「いったいどうなっているんだ」と非常に神経質になり、急遽、日銀の黒田総裁との会談をセットして説明してもらうことになったと官邸筋が語っている。まさに日経は“赤っ恥”をかいたのである。

 もともと投資のプロは日経新聞の内容を相手にしないといい切るのはゴールドマン・サックス証券やモルガン・スタンレー証券など外資系証券会社で日本株アナリストを経験してきた島義夫玉川大学経営学部教授である。

「プロは必ず日経を読んでいますが、それは世間の『平均的な見方』を確認するためです。株など金融商品を扱う場合、先行きを見るための先行指標、今の状況を確認する一致指標、過去の状況を分析する遅行指標がある。新聞に書いてあることは昨日までの遅行指標であって、プロにはそれを取引の先行指標に使うような馬鹿はいない。日経の記事は市場関係者や専門家を取材して書いています。その手の情報はポジショントークといって、自分が扱っている銘柄が有利になるようにメッセージを出す意図が込められている。市場関係者はそのことを百も承知だから、記事を参考にはしないわけです」

 ポストは、日経の記事が金融のプロから信用されていない原因が“経済音痴”にあるのなら、メディアのクオリティーを問われることはあっても、罪までは問えないが、日経の責任が重いのは、安倍政権や霞ヶ関、財界の意を汲んで「景気は回復」「給料アップ」「株価も上がる」と大本営発表を流し、結果的に国民の目からアベノミクスの失敗を誤魔化してきたことであると追及する。

 さらにポストによれば、「日銀の黒田総裁を官邸に呼んで追加の金融緩和を迫り、さらにこれ以上の株価急落を防ぐために国民の老後資金である年金資金で株を買う計画を進めている。そしてその先に狙っているのは、高齢者のカネだ。安倍政権は今年1月から年間100万円までの株取引の利益を非課税にする『少額投資非課税制度』(NISA)を導入し、素人投資家を株式市場に呼び込む策を練ってきた。年金カットで収入が減る高齢者がそれに飛びつき、銀行や証券会社に新たに株取引の口座を開設する個人投資家は高齢者を中心に年内に500万人に達する勢いで、『最大で5兆円の新規資金が株式市場に流入する可能性がある』1月8日付)と見込まれている」そうである。

 島氏はこう警告する。

「現実のd日本経済は株価も為替も景気も非常に不安定な綱渡りの状況です。だからこそ、日経は霞ヶ関の意を汲んで、国民に景気が回復して株価が上がると思わせるように書いている」

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