残業やノルマが増えるだけ!? ユニクロ“パート正社員化”のカラクリ
#出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
「研究員は貧乏暮らしが常ですが、彼女は上から下まで、ヴィヴィアン・ウエストを着て決めていた。『わたし、ヴィヴィアンしか着ないの』『本店から案内が送られてくるの』と自慢げに語っていましたね。でも、いちばんびっくりしたのが彼女の住まいです。彼女は理研に来てから二年間、神戸の高級ホテル『ポートピアホテル』でホテル暮らしをしていたのです」
文春が調べたところによると「同ホテルは最低ランクのシングルルームでロングステイ割引したとしても、一泊七、八千円はかかるという。部屋代だけで月に二十万円超の計算」になる。
彼女は12年末にSTAP細胞作製に「成功」するが、「ネイチャー」に投稿した論文は却下されてしまう。そこでケビン氏の登場である。
彼女はいつの間にか、理研CDBの副センター長である笹井芳樹先生に話を持っていったという。
笹井氏(52)は、受精卵から作られた万能細胞「ES細胞」の第一人者で、世界で初めてES細胞を神経細胞に分化させることに成功し、わずか36歳で京都大学医学部教授に就任したエリート中のエリートである。
「ネイチャー」掲載に堪えうる論文を小保方さんが執筆できるはずはなく、実質的に執筆したのは笹井氏ですと科学部記者がこう話す。
「彼女をCDBのユニットリーダーにするよう強く推挙したのが笹井氏といわれています」
さしたる業績もない30歳の彼女が抜擢されたことで、社内では情実人事ではないかと当初からウワサでしたと、現在もCDBに勤務するC氏は言っている。
このポストは大学教授とほぼ同等のポストで、給料も800万以上はあるそうだ。
だが、この世界も複雑で、笹井氏が小保方さんを利用しようとしていたという見方もあるようだ。そのC氏がこう語る。
「笹井先生は、iPS細胞でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京大教授への対抗心を燃やしていました。二人とも同学年ですが、もともと笹井先生の方が圧倒的にリードしていた。(中略)ところが、iPS細胞で山中先生が大逆転した。そんな笹井先生の前に、STAP 細胞という夢の万能細胞をひっさげて現れたのが小保方さんだった。これで一気に山中先生を追い越せると笹井先生は思ったのかもしれません」
笹井氏の小保方さんへの入れ込み方は、相当なものだったようだ。
「疑惑が浮上し始めてから、笹井先生は『僕はケビン・コスナーになる』と語っていたそうです。ケビン・コスナーが主演した『ボディガード』のように、小保方さんを守り続けるという意味なのでしょう」(C氏)
こうした強力な「庇護」の下で小保方論文は守られ、その疑惑がなかなか明るみに出なかったようである。
だが、血液病理学が専門の医師で、広島大学名誉教授の難波紘二氏は、小保方論文に早い段階から疑義を呈してきた。それもちょっと考えればわかることだったという。
「メディアは、『リケジョの星だ』『おばあちゃんの割烹着だ』などと騒ぎましたが、そもそも割烹着を着ていること自体、研究者としておかしいでしょう。襟も背中も大きく開いている割烹着では異物混入の可能性もあり、実験には不適切です。またあのお化粧や、つけまつげにしてもそうです。専門家ならすぐに『あの人は何かおかしい』と思うはずです」
言われてみればその通りである。だがメディアは疑うこともなく、割烹着美人だと持ち上げたのだ。ある社の科学部記者はこう語る。
「あれだけ理研のビッグネームが揃っているのだから、そんなはずはない、信じたいという気持ちのせめぎ合いで、ある種、金縛り状態になっていたのです。あそこまで小保方氏を持ち上げておいて、確たる証拠もないまま掌を返して批判すれば、もし本当にSTAP細胞が見つかった時に大変だ、という気持ちもあり、なかなか積極的に動けなかった。(中略)論文が掲載されたのが、掲載率一割以下という審査の厳しさで知られる科学雑誌『ネイチャー』でした。それに小保方さんは、あのノーベル化学賞の野依良治氏が理事長を務める理化学研究所のユニットリーダー。加えて共著者の笹井氏は、三十代の若さで京大の再生医科学研究所の教授に就任した、その世界では有名な方ですし、同じく共著者の若山照彦・山梨大学教授もマウスを使った実験の世界的な権威。こうした名前の『ブランド力』を妄信してしまった部分はある」
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