小保方騒動は他人事じゃない! コピペが蔓延するマスコミ業界
#マスコミ
“世紀の大発見”から一転、STAP細胞論文をめぐる捏造疑惑のヒロインとなってしまった小保方晴子氏。早稲田大大学院時代の博士論文もコピー&ペーストで作成されていたという疑惑まで発覚し、もはや四面楚歌の状態だ。
しかし、小保方氏を「リケジョの星」と持ち上げ、今は手のひらを返すように疑惑の追及に熱心なマスコミだって、人のことを言えた立場では決してない。そこで今回は、マスコミが繰り広げた“コピペ騒動”を紹介しよう。
まず記憶に新しいのは、社長の引責辞任にまで発展した、時事通信社による共同通信社の記事盗用問題だ。昨年6月、アメリカ政府がオランダの大手銀行に罰金を科したというニュースを共同通信社が配信したのだが、これを時事通信社ワシントン支局の記者が自社の原稿フォーマットにそのままコピペ。一部は書き直して配信したそうだが、こともあろうか「ワシントン共同」というクレジットを残してしまい、問題へと発展した。
ちょうどこの問題が起こる約半年前にも、時事通信社の記者がノルディックスキーのワールドカップ記事を共同通信社のものから盗用しており、このときも「共同」というクレジットを残したまま配信。記者の問題もさることながら、“最大の痕跡”を二度も見逃してしまう時事通信社のチェック体制は、早大以上にズサンとしか言いようがない。
また、2007年には、朝日新聞がライバル紙である読売新聞から記事をコピペ。富山県立山町の特産品である「かんもち」についての記事だったのだが、読み比べるとほぼコピペの状態で、これに気付いた「J-CASTニュース」が朝日に指摘し、朝日が盗用を認めた。この記事を書いた記者は、数日前の記事2つでも読売と新潟日報から盗用していたことが社内調査で明らかになっている。
しかし、まだ3つのコピペ発覚なら、かわいいものなのかもしれない。05年に表面化した、TBSの公式ホームページ掲載のコラムが新聞からのコピペだった問題では、盗用だったコラム数はなんと35件。当初、TBSは“コラムの執筆者は外部のフリーライター”と説明していたのだが、実際はTBS編成制作本部スポーツ局企画渉外部担当部長が執筆しており、読売に朝日、毎日と、あらゆる新聞からコピペを繰り返し、ときには1回のコラムで複数の記事から盗用。さらに事件が発覚した際には、知り合いのフリーライターに身代わりを依頼していたというから罪は深い。
ちなみに、小保方騒動によって「コピペは若者の現代病」「コピペを悪いと思わないのは、若者の倫理観が低下しているからだ」という論調が生まれつつあるが、この事件が発覚した当時のTBS担当部長の年齢は47歳。コピペは若者だけの文化ではなく、あらゆる世代に蔓延しているのだ。
小保方氏は「(画像の切り貼りを)やってはいけないことであるという認識がなかった」と答えたというが、小保方氏と同じように“無意識下あるいは罪悪感なきコピペ”は、マスコミでも横行しているもの。論文捏造問題を反面教師にしなくてはいけないのは、ほかでもなく自分たちであることを、どうかお忘れなきよう。
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