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週刊誌スクープ大賞

イオン、無印良品、ファミマ……消費税8%に、“価格据え置き”で対抗する根性企業

 いま安倍政権批判をさせたら、ポストほど鋭いメディアはないだろう。アベノミクスはほぼ崩壊しかけているのに、それを助け、大本営発表を垂れ流している大新聞を批判する舌鋒も激しい。

 ポストによれば、3月3日付の新聞各紙の夕刊は「設備投資4.0%増」と報じた。

 読売の記事には「財務省が3日発表した2013年10~12月期の法人企業統計によると、金融業・保険業を除く全産業の設備投資は、前年同期比4.0%増の9兆4393億円」とあった。

 これを読んだ読者は「景気が上向いている」と思い込むはずである。しかし、この数字にはカラクリがあると、ポストは言う。

 第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト・熊野英生氏はこう指摘する。

「実は前年比ではなく前期比で見ると、設備投資は2四半期連続で減少しています。つまり、設備投資は昨年同時期と比べると増えているが、この半年間で見れば減ってきている。ではなぜ昨年比だと伸びているかというと、比較対象となる12年には復興需要やエコカー補助金等の効果で4~6月期が大きく伸びていて、その後は下がっていた。前年より下がった12年後半の数字と比べているから、上がっているだけ。これは前年比の“マジック”なのです」

 また、厚労省が賃金構造基本統計調査(全国)を発表すると、各紙は2月21日付でこう報じた。

「朝日は『短時間労働の時給、微増 男性1円、女性6円増 13年厚労省調査』と、非正規雇用の労働者の賃金が上がったという“いいニュース”をメインに報じている。ところが、実際の調査結果を見てみると、むしろ驚くべきは、フルタイム労働者の賃金が0.7%減であり、とりわけ男性が0.9%も減っていることである。こちらのほうが、パートタイムの賃金微増よりよっぽど見出しにすべきニュースだと思うのだが、『安倍政権打倒は社是』(by安倍首相)のはずの朝日も、こと景気の記事に関してはやけに政権に甘い」(ポスト)

「産経(3月5日付)は、経済面で大きく『電機6社ベア実施 パナソニック6年ぶり容認』と題した記事を掲載。電機大手6社がベアを実施する見通しだと伝えた。ところが同じ経済面には下に小さく、『現金給与総額3カ月ぶり減 1月勤労統計』というベタ記事もある。日本企業全体の現金給与が前年同月比で下がったという暗い話題である」(同)

 新聞の景気、経済関連の報道は、マーケット関係者から見ると違和感があると、投資顧問会社マーケットバンクの岡山憲史代表は語っている。

「いまの株価は概ね、4~6か月後の経済指標に跳ね返ると見られていますが、現在の株価は不振です。昨年12月30日の大納会に1万6291円という年初来最高値を更新して、その後は低迷。最近では1万4000円台です。しかも、先進国で株価が下がっているのは日本だけです。アメリカは、2月27日にS&P 500種株価指数が過去最高値を更新したほど。日本はバブル以降、株価は1度も高値更新していない。アベノミクスから1年を経た現在も過去最高値の3分の1の水準が続いているんです。この株価に象徴されるように、景気は鈍化していると考えていいのだが、メディアはそこに言及しようとしない」

 ポストは、アベノミクスについての大新聞の報道は大本営発表だとし、貿易赤字は原発停止のせいではなく、本当はアベノミクスのせいだ、世論調査で世論誘導をしていると批判する。

 上智大学文学部新聞学科の渡辺久哲教授(メディア調査論)も、こう言っている。

「新聞各紙は言論機関であり、極端な話、国民が全員『反対』と言っても『これは正しい』と言うべきで、そういう気概がなければ本当の言論機関とは言えません。世論調査で数字を作って、『国民の6割がこう考えている』からこうだというのでは話になりません」

 私は、4月からの消費増税はアベノミクスを壊すだけでなく、日本経済を回復不能にまで落ち込ませるのではないかと心配している。

 みみっちい話で恐縮だが、私は毎日バスで駅まで出ている。片道200円だから往復で400円。これがPASMOを使わないと片道210円になる。これぞ便乗値上げである。したがって一日20円の負担増になるから、20円×24日(月曜日から土曜日)=480円×12カ月=年間5,760円増にもなるのだ。これで景気が上向くはずがないではないか。

 神は細部に宿る。庶民は日常の小さなことから世界を考えるのである。安倍首相はそのことに気がつかない「どうしょうもない人」である。

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