閉塞感を打ち破る?『日本アカデミー賞授賞式』テレビ番組としてのギクシャク感
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「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。
「はなはだ簡単ではございますが、うれしい言葉とさせていただきます」
2011年の「日本アカデミー賞」で「話題賞」に輝いたナインティナイン岡村隆史は、その異質な雰囲気にのまれ、そんなワケのわからない受賞スピーチをして失笑を買った。長年、テレビ界の第一線で活躍する岡村でさえ緊張の極致にしてしまう『日本アカデミー賞授賞式』とは、一体何なのだろうか?
この授賞式は、1978年の第1回から日本テレビで『日本アカデミー賞授賞式』として放送されている。豪華俳優、映画人が一堂に会すという、テレビ番組としては貴重な映像である。今年の司会は、西田敏行と樹木希林。
「これを頂くと、来年授賞式の司会やらなきゃいけないから……とにかく困りました」
と、昨年の最優秀主演女優賞を獲得した際のスピーチで樹木が語ったように、女性司会者は前年の最優秀主演女優賞受賞者が務めることが通例になっている。今年の番組の冒頭、「“危ない”2人の司会者」と紹介されたが、やはり注目すべきは樹木だろう。というのも彼女は、この『日本アカデミー賞授賞式』で過去、強烈な爆弾発言を連発しているのだ。
それは、07年の『日本アカデミー賞授賞式』。その年は、ほかの映画賞では軒並み『それでもボクはやってない』(周防正行監督)が多くの賞を受賞していた。だが、日本アカデミー賞だけは例外で、最優秀賞を受賞したのは助演女優のもたいまさこのみ。代わりに、日本テレビが出資した『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(松岡錠司監督)が各賞を総ナメにしたのだ。樹木も、同作で最優秀主演女優賞を獲得。だが彼女は、「私なら違う作品を選ぶ」「監督賞は余計ね」「半分くらいしか出演していないのに(最優秀主演女優)賞を頂いてしまって申し訳ない」「帰りたい」「もう酔った」「組織票かと思った」など、奔放な発言を連発した。
実は、樹木は別のインタビューで「監督に殺意が芽生えた」というほど、この映画の演出に納得がいっていなかったのだ。そのため、最後には「この日本アカデミー賞が名実共に素晴らしい賞になっていくことを願っております」と、皮肉たっぷりに締めくくった。
そして、今年の『日本アカデミー賞授賞式』。授賞式が始まる前に「受賞者の方に失礼のないように言葉遣いに気をつけて……」と決意表明する西田を遮って「私に言ってるんじゃないの?」とツッコむ樹木。始まる前から“自由”で不穏な空気を漂わせる。
この『授賞式』で近年、もはや“名物”となっているのがオダギリジョーの“奇抜”なファッション。この日も、言葉では形容しがたい服に身を包むオダギリに、前述の『東京タワー』では親子役で共演した樹木は、お構いなしに切り込んでいく。
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