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週刊誌スクープ大賞

八ッ場ダムに税金をつぎ込み、東北被災地を買い叩く“シロアリ官僚”

 韓国批判を、週刊誌がこぞってやっている。中でも以下の話はあちこち出ているが、アサ芸から見てみよう。

「アメリカ西部、カリフォルニア州グレンデール市。昨年7月、この地の韓国系住民によって『慰安婦像』が設置された。いわゆる『従軍慰安婦問題』をクローズアップする像である。正しい歴史認識の検証を無視したこの暴挙に対し、『慰安婦像設置に抗議する全国地方議会の会』のメンバーら13人が、今年1月に訪米した。帰国後も2月10日、地方議員団は国会内で報告会を開いた。そこで現地の実態が明らかになったのだ。その内容たるや『現地の学校に通う日本人の子供らが韓国人の子供に、食べ物に唾を吐きかけられた』『日本人だとわかると、ラーメンに唾を入れられた』など、耳を疑うものばかり」

 文春によると、この慰安婦像設置に対して地元の日系住民らが像の撤去を求める訴訟を起こしたという。市在住の日系人と日本人らで作ったNPO「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」だ。

 代表を務める目良浩一ハーバード大学元助教授がこう語る。

「第一の大きな理由は、慰安婦問題は日韓の問題であり、二カ国間で話し合い、決着に持って行くべき事柄だということです。(中略)第二は、慰安婦像の傍にあるプレートに記された『戦時中日本軍が強制連行して性奴隷にした二十万人の婦女子が慰安婦にされた』との文言です。これは昨年七月の市議会では議論対象になっていない。像については図面も提出され、議論されましたが、プレートについては議会には何の資料も提出されなかった。したがって決議は不備であるという理由です」

 すでに米国では、韓国系人口の多いニュージャージー州ハッケンサックとパリセイズパーク、ニューヨーク州のウェストバリーの三カ所に慰安婦像が建てられており、韓国系団体は、全米の大都市すべてに慰安婦碑を立てると公言してはばからない、と文春は書いている。

 また、大手紙のワシントン特派員はこう語る。

「先日、バージニア州議会では日本海を韓国が主張する『東海』と呼ぶことを定める法案が可決されています。後は州知事が署名をすれば正式決定となり、今年七月以降、バージニア州教育委員会が承認するすべての公立学校教科書に、日本海と東海とが併記されることになります。米国内での韓国の存在感は日本の比ではないと常々感じます」

 新潮は、韓国は慰安婦関連記録の世界記憶遺産への登録を目指していると書いているが、本当なのだろうか。

 文春は、河野談話(1993年8月、宮沢改造内閣の河野洋平官房長官<当時>が、慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話として発表したもの)の見直しを支持する世論が6割近くになっていると報じる。

 2月20日の衆院予算委員会に参考人として石原信雄元官房副長官が出席して、河野談話に関する質問に答えたが、文春はその石原氏にインタビューしている。

「河野談話を出した直後は(日韓関係は)おさまっていたのに、後になって韓国側が(米国各地に)慰安婦像を作るとか、米議会に働きかけて対日非難決議をさせるなどの根拠になるとは、当時は全く想定していなかった。苦渋の決断として、未来志向の話をしようという中で、良かれと思って出した談話ですから、韓国側にも未来志向を持ち続けて欲しかった。そういう意味で、私はかかわった者として、非常に残念だというのが率直な気持ちです」

 これほど多くの週刊誌が韓国批判をするというのは、私には記憶がない。

 少し前、韓国メディアの取材に対して私は「反中、反韓記事を煽るのは読者がいるからだ」と話したことがある。

 週刊誌は、今の世の中に広がっている「空気」をすくい取り誌面化して読者に手渡すことが役割だから、そうしたムードが日本の中にあるのは間違いないが、それを煽るうちに自分たちが思う以上に国内の反中、反韓気分が高まって「気分は戦争」から「戦争しよう」へと突き進んでしまわないか心配だとも話した。

 今週の週刊誌を読んでいると、私の心配が現実になってきているように感じられてならない。

 先日、韓国人で日本に帰化した呉善花さんと話をした。呉さんは激しい韓国批判をすることで知られる人で、安倍首相とも会ったことがあると言っていた。

 彼女は、韓国人は祖先の恨みを忘れないことが一番の孝行になるから、日本人のように水に流すなどということは韓国人にとって恐ろしいことで、日本への恨みを忘れることは決してないと語った。

 では、どうしたら日韓は歩み寄ることができるのか? と問うと、彼女は、日本からペコペコ頭を下げていくと韓国人はバカにするから、放っておいて向こうが困って来たら話し合いに応じればいいというのだ。

 「週刊ポスト」(2月14日号)で、ウルトラ保守の小林よしのり氏が「安倍首相の靖国参拝というのは国際感覚の欠如した幼稚な排外主義、ナショナリズムだ」と言っている。「安倍さんだけではなく、朴大統領も同類だと思うのですが」と私が訪ねると、呉さんは「それは小林さんの考えでしょ? 靖国にしてもなんにしても、“日本は日本です”という毅然とした態度を見せたほうが、今は反発するかもしれないけど、結果としては絶対いいんです」と言い切った。

 今のような日韓関係がこのまま続くのは、決していいことではないと思う。安倍首相と朴大統領の「幼稚なナショナリズム」が国民の中にまで広がりを見せている状況を打開するためには、石原元官房副長官の言うように、未来志向の話をするために、大人の解決方法を見つけ出すのが政治であり、外交ではないのか。

 ガキのように批判し合って、歩み寄る努力をしない政治家ばかりになってしまった。周恩来と田中角栄が日中国交正常化するとき、尖閣諸島問題を“棚上げ”したような大人の解決ができる政治家はいないものだろうか。

 ポストお得意のシロアリ官僚批判。福島第一原発で被災した人たちの中で放射線量が高くて「帰還困難区域」に指定され、帰ることができない人たちが自分の家と土地を買い取ってほしいという声が高まっている。

 だが、ポストはその買い取り価格は異常に安いと報じているが、これこそ今メディアが報じなくてはならない情報である。ポストはこう書く。

「被災地と同様に住民が立ち退きを迫られながら、国が湯水のように買収資金をつぎ込んでいる土地がある。群馬県長野原町八ッ場ダムの建設予定地だ。被災者たちはダムの底に沈む八ッ場の土地買取価格を知ると驚愕するはずだ。本誌が入手した国交省の極秘資料『八ッ場ダム建設事業に伴う補償基準』によると、宅地1平方メートルあたりの買収価格は1等級が7万4300円、最低の6等級でも2万1100円。南相馬市と比べると4倍以上に査定されている。 農地(田)の補償額の格差はもっと大きい。国交省は八ッ場の農地に最低の6等級の田でも1平方メートル=1万5300円と南相馬市の農地の10倍以上の高値を与えている。『6等級の田』といえばいかにも作付をしているかのように思われるが、実際にその場所を確認すると小石が散乱し雑草が生い茂っている。何年も耕作されていないようにしか見えない荒れ地である」

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