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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『聖闘士星矢』作品を総復習
週刊アニメ時評 第62回

フルCG映画『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』公開決定! あらためてチェックしたい『星矢』作品

●『聖闘士星矢Ω』

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 現在、テレビ朝日系列で放送中の「アニメ版の」続編ともいえるアニメ作品です。ファンなら周知の情報ですが、原作とアニメ版でかなり『聖闘士星矢』の設定は異なっています。

 一例を挙げると、原作だと序盤のボスキャラ・教皇の正体は、13年前に当時の教皇であるシオンを暗殺したサガ……という設定でしたが、アニメ版では物語スタート開始の時点で前教皇シオンは存命。しかし、13年前にその弟であるアーレスをサガが暗殺にすり替わり。さらに、物語序盤の銀河戦争開始時にアーレスになりすましたサガが、シオンを暗殺し、アーレスとして教皇の座に就く……という、ややこしい設定になっています。

 そのほか、原作には登場しなかった謎の聖闘士・鋼鉄聖闘士(スチールセイント)が出てきたり、「我が師の師は、我が師も同然!」という迷セリフが飛び出したりと、原作とほぼ同時進行で制作されていたがゆえに発生した設定の食い違いが多くあり、アニメ版『星矢』の世界と原作版『星矢』の世界は、パラレルワールドと言ってもいいかもしれません。

 そこで、現在放送中の『Ω』は、思い切って「アニメ版」の設定をベースに、数年後の世界の物語を描いています。黄金聖闘士に出世した星矢や紫龍、新生聖衣で登場する氷河、瞬、一輝。ムウのあとを継いで白羊宮を守る貴鬼、後進を育てる二軍青銅聖闘士たち、白銀聖闘士にランクアップするヒドラの市様など、前作ファンには嬉しい要素のほか、まさの鋼鉄聖闘士復活など「アニメ版」愛にあふれる設定や展開が満載。土曜日早朝という、リアルタイムで見るにはなかなかつらい放送時間ではありますが、未見の方はぜひ一度チェックしてみてください!

●『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』 

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 「週刊少年チャンピオン」にて連載されたコミックであり、作画を手掛けたのは車田正美作品の大ファンという漫画家・手代木史織。本作はペガサスの聖闘士・テンマと、冥王ハーデスとして覚醒してしまった親友・アローン。女神アテナとして覚醒した幼なじみの少女・サーシャの3人を中心に前聖戦の戦いを描く作品です。当初は、『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』と同じ物語を、異なる視点で描くという触れ込みでスタートした本作ですが、いつしかそれぞれ異なる展開を見せ始め、現在は同じ時代を舞台としながらもまったく異なるパラレルな存在となりました。

 すっきりした絵柄と、原作リスペクトに満ちた内容となっており、古参ファンからも好評だったらしくOVAも全26話にわたって制作されました。現在、本作に登場する黄金聖闘士を主人公にしたオムニバス『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 外伝』が、「別冊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載中です。

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