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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.261

映画館が“乱交パーティー”会場と化す『愛の渦』8人の男女が組んず解れつ全裸でお付き合い!!

ainouzu01.jpg都心のマンションに集まった8人のスケベ人間たち。男と女の本音やセックス観の違いなどが次々と表出していく。

 映画館に足を運んだあなたは、客席が暗くなった途端に巨大な渦に巻き込まれるだろう。性欲という名の激しい潮流にあなたは逆らうことができず、スクリーンの中へどっぷり引きずり込まれてしまう。『愛の渦』は、“乱交パーティー”に集まった男女のひと晩だけの関係を描いたR18指定作品。あなたは、自分自身があたかも乱交パーティーに参加したスケベ人間になったかのようなドキドキ感ワクワク感を抱いて、このドラマを最後まで体感することになる。

 『愛の渦』は人気演劇ユニット「ポツドール」が2005年に初上演した舞台の映画化。「ポツドール」を主宰する三浦大輔監督は、この作品で演劇界の芥川賞と呼ばれる岸田戯曲賞を受賞している。ドキュン系の男女のイタい恋愛模様を描いた大根仁監督の『恋の渦』(13)も「ポツドール」の舞台を映画化したものだ。あまりにも下世話すぎる世界で、身も蓋もないような男と女の本音丸出しトークが飛び交うのが三浦作品の魅力。『愛の渦』ではマンションの一室に集まった8人の男女がオールナイトでまぐわいつつ、身も心も裸になっていく様子が描かれる。

 上映時間123分中、着衣時間はわずか18分半という本作に、出演した女優陣は全員オーディションで選ばれた。三浦監督によると、オーディション参加者にはバスタオル姿になってもらったそうだが、どれだけ本作への出演意志があるのかを本人に直接確かめるという意味合いもあったらしい。バスタオル・オーディションの結果、ヒロインに選ばれたのは新進女優の門脇麦。NHK大河ドラマ『八重の桜』で綾瀬はるかの姪を演じ、東京ガスのCM「ガスの仮面」でバレエを踊っていた注目株。さらに『東京大学物語』(06)で水野遥を演じた三津谷葉子、満島ひかり主演作『カケラ』(10)でレズ友を演じた中村映里子、舞台で活躍する赤澤セリといったチャレンジ精神溢れるプロフェッショナルな女優たちが抜擢されている。女優陣に絡む男優陣も『ラストサムライ』(03)の子役からすっかり大人に成長した池松壮亮、人気ドラマ『半沢直樹』(TBS系)でブレイクした名バイプレイヤーの滝藤賢一、日本映画界でヒール役を一身に担う新井浩文、『SRサイタマノラッパー』(09)のデブラッパー役でおなじみの駒木根隆介という個性派ぞろい。どんな組み合わせでも、面白いドラマが展開しそうな顔ぶれではないか。

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