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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 大吉「若手よ、この本を読め!」
『年齢学序説』文庫化記念インタビュー

博多大吉が叫ぶ「(この本を読んで)若手芸人よ、大志を抱け!!」

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――基本、スタンスは変わらないと。

大吉 変わらないですね。劇場やってるからじゃないですかね。お客さんの前で漫才をすることで冷静になれる。テレビに出られなくても、劇場でウケていればいい話なんで。あと福岡にも仕事があるし。慌てないんですよ、僕たち。

――故郷を捨てて、東京で成功してやる! っていうのも、芸人として成功する一つのモチベーションだと思うのですが、あくまで福岡と東京の両立にこだわった理由はなんでしょう?

大吉 僕も福岡のことが好きですし大事にしたいですけど、僕以上に華丸さんが動かない。何よりも福岡を優先させるので。福岡を優先させているのか、福岡のゴルフを優先させてるのかは謎ですが。ちょっとは山っ気が出る時もあるんですよ。ピンでいろいろな仕事に呼んでもらって、それがウケればいいんですけど、失敗して落ち込んだ時、ふと振り返ると華丸さんが福岡でほほえんでる。それがどうしたって顔で、こっちを見てる。それで僕も「あぁそうでしたね」って。なんかすいません、ちょっと調子に乗ってました。反省とかしなくてよかったんですねって。

――華丸さんの存在が大きいんですね。

大吉 本当にアイツが僕以上に博多が好きなので。全国ネットで「有名なラーメン店は?」って聞かれて、パッと浮かんだところを言うべきなのに、あの人は言わない。どこの名前を出しても角が立つ。あの店は、俺は好きだけど最近行ってないから味が落ちてるかもしれない。そういうことを気にして、結果、黙るという、テレビとしてあるまじきことをするんですよ。その一瞬は「何やってるんだ」ってムッとはしますけど、よくよく理由を聞いてみると、あの人はブレてない。昔っから何も変わってない。

――華丸さんが『R-1』で優勝して先にブレイクして、その隣で大吉先生はどんなことを考えていたのですか?

大吉 華丸さんばっかりテレビに出てると、親たちから「アンタ何やってるの?」って言われるので、その辺は確かにキツかったですけど、個人的にはなんとも思っていなかったですね。すごい失礼な言い方ですけど、『R-1』にそこまで期待していなかったので、そんなに重要なタイトルだとは、当時は思っていなかったんですよ。たまたま優勝しただけのこと。それでTBSだったり、フジテレビだったり、いろんなテレビ局を見学させてもらったと。お金をもらって芸能人を生で見れて。ウィニングランの気持ちで一年間を過ごしました。

――ご自身も芸能人なのに。

大吉 違いますよ。たまに街で僕のことを見かけて喜んでくれる方がいらっしゃるんですけど、困るんです。「またまた」と。綾野剛さんのほうがうれしいでしょ? 僕とばったり会うより。ごめんね、だけど綾野剛はここにはいないんだよ……と。

――考えすぎです(笑)。

大吉 この間ですね、ロケで嵐の櫻井翔さんがカレーを召し上がったんですけど、カメラが止まった後に「大吉さん食べますか?」って言っていただいて、翔さんが使ったスプーンで食べてしまったんですよ……。さらに、その後、翔さんがまた同じスプーンで食べた。ラリーがあったんです。これは調子に乗ってるなと、自分で自分を戒めました。

――(笑)。最後に、読者にメッセージをいただきたいのですが。

大吉 まぁきれいごとみたいですけど、売れてない若手が読んでくれたらいいなと思って書きました。世に出れなくてもがいている、ウチの、吉本の芸人に読んでほしいなと思って書いたんですけど、まぁ思っていた以上に誰も読んでくれなくて、はらわた煮えくり返るのみです。アイツら! だからお前ら売れないんだ!

――だから、26がダメでも38がある。38がダメでも……というふうに書いたのに。

大吉 僕の計算では、毎年2000冊売れるはずなんです。NSC生が買うから。

――授業で読んでほしいと。

大吉 本当ですよ。今でこそこんなエラそうに言ってますけど、自分たちもそうだったので。35歳、知名度ゼロで東京に出てきてました。人生なんてあっという間ですから、若手は早くこれを読んで、辞めるなら辞める。続けるなら続ける。僕に謝るなら謝る。その三択です。
(取材・文=西澤千央)

最終更新:2014/02/24 15:56
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