「お笑い界のルールをぶっ壊せ!」嫌われ西野に贈る『ゴッドタン』流のエール
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「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。
<嫌われ界のパンドラの箱。いろいろ問題あるけれど、理由はともかくマジ嫌い。そこのけそこのけアイツが通る。絡めばお前も嫌われる。呪いの嫌われパンデミック>
と紹介されたのは、キングコング西野亮廣だ。今月1日深夜に放送された『ゴッドタン』(テレビ東京系)の名物企画「マジギライ1/5」、記念すべき15回目に満を持して登場したのだ。「マジギライ1/5」は、自分を嫌っているという5人の女性の中から本当に嫌っている一人を見抜けるのか? という企画である。
しかし、この日は何やら様相が違った。「僕自身もなんで嫌われてるか、分かってないんですよ」と西野がMC陣にこぼすと、すかさず劇団ひとりが「調子乗ってっからだよ!」と断罪。劇団ひとり、おぎやはぎはおろか、アナウンサーの松丸友紀までもが、西野が嫌いだと公言するのだ。
「MCのほうが僕を嫌いって、話が違ってくる……」
とつぶやく西野を尻目に、モデルや女優、アイドル、キャバ嬢といった5人の女性たちが登場する。普段であれば5人のうち、本当に嫌っているのは一人だけだから、何人かは「嫌いな理由」を問われると、「顔が嫌い」だとか「生理的に嫌」とか、薄い理由になりがちだ。しかし、さすが『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも「好感度低い芸人」でダントツの強さを見せた「嫌われ界の大物」だ。彼女たち5人から浴びせられる悪口の数々は、どれも芯を食ったものだった。
「自分は『嫌われ界のサラブレッド』じゃないけど、嫌われ界で売れてるって思ってるけど、お前言うほど嫌われ界背負ってねぇからな。嫌われ界で存在感ないから」
「カメラ回ってない時、超普通じゃん。たぶん、『オン・オフはっきりしてる俺、カッコいい』って思ってる」
「応援してるファン無視して、ネットの悪口ばっか意識してんじゃねえよ。ネットとかに書かなくても、応援してくれてる人間はいるんだよ!」
「テクニックがあったとしても、感情がないと思うんだよね」
そんな身をエグられるような悪口にも、西野は怯まない。いや、一見、動揺し傷つき叩きのめされているようにも見える。だが、一方でまったく揺るがない自信もうかがわせる。その危ういアンバランスさが、西野が嫌われる理由であり、魅力でもあるだろう。
続いて「逆に好きな部分」を女性たちから聞き出し、「キングコングで漫才やってる時は西野のこと大好き」「やっぱりMCはうまい」「男の人としてほっとけない。まっすぐだけど不器用」などと褒められた時のリアクションが、そんな西野のアンバランスさを強調し、過剰な自信とは裏腹な、自己承認欲求の満たされなさを浮き彫りにしていく。テクニックだけではない、感情をあぶり出していくのだ。
そしてこの日も決定的な役割を果たしたのが、「マジギライ」のレギュラーである、キャバ嬢のあいなだ。そもそも「マジで嫌い」な人を見抜くという企画に、レギュラーがいるというのはおかしな話だが、その矛盾を抱えてもなお起用したくなるほど、彼女の言語感覚とお笑い脳は抜群だ(第1回に出演した際、あまりの面白さに、この企画のレギュラーに抜擢された)。ある意味で、あいなは『ゴッドタン』を象徴する人物と言っても過言ではない。
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