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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > “レジェント”葛西、長野の雪辱
アスリート列伝 第9回

「金メダルを獲るまでは、絶対に辞められない」スキージャンプ・葛西紀明を奮い立たせた、長野の雪辱

 その結果、今年1月、オーストリア・バートミッテルンドルフで行われたスキージャンプW杯では、史上最年長優勝の記録を更新した。W杯での通算16勝は、日本人選手として船木の15勝を上回り、歴代トップ。世界ランキングでも4位をマークしている。

 ソチ五輪を前に、“レジェンド”の称号で知られるようになった葛西。今回は、日本選手団の主将として、そして最年長選手として、若い選手たちを取りまとめる責任を背負っている。彼が念願の金メダルを奪取すれば、ほかの選手もまた奮起せずにはいられない。葛西の活躍に、日本選手団全体のモチベーションがかかっているのだ。

 もはや、「人間離れ」という言葉が適切すぎるほど適切な41歳。長年の酷使によって膝の関節はボロボロになった。鍛えているとはいえ、全盛期ほどの体力を維持できているわけではない。だが、そんな状況でも彼は決して後ろを振り向かない。

「40歳を越えてしまうと、『いつ辞めようが同じかな』という感じですね。(中略)ここまで来たらやれるところまでやってみたいというか、気持ちが先に萎えるか、自分の膝が壊れるのか……。そこまで付き合ってみたいなと思っているんです」(同)

 悲願の金メダルを手にするまで、葛西の伝説は終わらない。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])

最終更新:2014/06/17 16:39
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