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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.257

あなたも億万長者になれる方法、教えます! NY金融道『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

wows03.jpg2番目の妻ナオミを演じたマーゴット・ロビーは豪州出身の23歳。ゴージャスなスーパーボディを惜しみなく披露してくれる。

 本作を撮ったのは、ディカプリオとは5度目のタッグとなるマーティン・スコセッシ監督。前作『ヒューゴの不思議な発明』(11)で好々爺化したかと思いきや、ベルフォートたちを金融界のギャングスターに見立てることで傑作『グッドフェローズ』(90)や『カジノ』(95)ばりのクレイジーさが復活! 男たちは金の亡者となり、女たちはすっぽんぽんで、み~んな欲望丸出しの世界。敬虔なカトリック信者であるスコセッシ監督が描く、現代のソドムの市ですよ。とことん下品だが、ベルフォートら登場人物はみんな自分の欲望に正直に生きているという清々しさがある。ディカプリオが資金を集め、スコセッシ監督が撮りたいように撮れる製作環境をセッティングしたとのこと。ディカプリオ自身も出世作『ギルバート・グレイプ』(93)以来と思われる好演技を見せている。世間の常識や社会的倫理観にさえ縛られなければ、人間にはとんでもない可能性がまだまだ隠されていることを本作は教えてくれるのだ。

 結局、ベルフォートは株価の不正操作とマネーロンダリングの罪を問われて、36歳で金融界を去ることになる。裁判で有罪判決を受けるものの、監視のいちばんユルい収容施設で3年間おとなしく過ごすことで釈放された。今回、ディカプリオが役づくりするのにベルフォート本人が協力したそうだ。スピーチが得意だったベルフォードは全社員をフロアに集めて、こう言ったという。
「オレのやり方をクレイジーだと思うか? そう思うヤツは今すぐ、この会社から出ていけ。そしてマクドナルドでアルバイトでもしてろッ」。人に扱き使われる人生とクレイジーな人生、あなたならどっちを選ぶ?
(文=長野辰次)

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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
原作/ジョーダン・ベルフォート 製作/マーティン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ 監督/マーティン・スコセッシ 出演/レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒー、マーゴット・ロビー、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー、ジョン・ファブロー、カイル・チャンドラー 配給/パラマウント ピクチャーズ ジャパン R18+ 1月31日(金)より全国ロードショー 
(c)2013 Paramount Pictures.All Rights Reserved
<http://www.wolfofwallstreet.jp>

最終更新:2014/01/30 21:00
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