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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.256

感染する“暴力”の恐怖『KILLERS/キラーズ』日本製殺人マシンとインドネシア産毒蛇の邂逅!

killers01.jpg暴力に取り憑かれた人間のおぞましさを描いた『KILLERS/キラーズ』。不快な効果音、揺れる映像が不気味さを増長している。

 日本とインドネシアとの初合作映画『KILLERS/キラーズ』は、誰にでも簡単に手に入る麻薬を題材にしている。その簡単に手に入る麻薬とは、“暴力”という名の非常に中毒性の強いドラッグのことだ。暴力によるサディスティックな悦びを一度覚えてしまうと、その快感を忘れることができなくなってしまう。暴力を振るううちに脳内物質が過剰分泌され、中毒症状に陥ってしまうのだ。まるでスナック菓子を食べ始めた手が止まらなくなるように、際限なく暴力を振るうようになっていく。しかも、この映画はその中毒性の強い暴力がネットを介して連鎖していくという、さらなる恐怖を描いている。

 本作は合作映画らしく、東京パートとジャカルタパートとの2つのドラマが同時進行していく。東京パートの主人公はしゃれたスーツを着こなすダンディな男・野村(北村一輝)。洗練された外見とは裏腹に、野村は快楽殺人鬼というおぞましい素顔を持っていた。街角にひとりで佇む若い女性や街娼を自分の車に誘い込んでは、自宅の監禁部屋へと拉致する。獲物にじっくり恐怖を味わせた上で、様々な凶器を使って血祭りにする。さらに、その様子をネットで中継するという完全なる精神異常者だ。今日も獲物を求めて、野村は夜の街へと繰り出していく。

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