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テレビウォッチャー・てれびのスキマのブックレビュー

6人の人気脚本家からひも解く、テレビドラマの歴史と魅力『キャラクタードラマの誕生』

 キャラクタードラマとは、「人間」を描くための手法にすぎない。現在、現実世界でも僕らはお互いに「空気」を読み合いながら、なんらかの「キャラ」として振る舞うことを要求されている。だとするなら、強固なキャラクターを中心に据えてドラマを描くことは「現在」を描くことにほかならない。

 また、本書は初めてのテレビドラマが『夕餉前』というホームドラマであったことが象徴するように、極論すれば日本のテレビドラマの歴史は、実はホームドラマ(アンチ・ホームドラマ)の歴史であるという、目からうろこの事実を指摘。それを描く手法が「人間ドラマ」「トレンディドラマ」、そして「キャラクタードラマ」に変遷していったにすぎないことを丁寧に解き明かしている。

 テレビドラマは、ずっと日本のお茶の間を描いてきた。かつては、それを家族で、お茶の間の食卓を囲んで眺めていた。そして現在、SNSなどにより、新たな“お茶の間”ができ上がった。よく「インターネットはテレビの敵」のような言説がある。しかし、そうではないはずだ。僕たちは、インターネットによって生まれた「バーチャルなお茶の間」で、馴染みのあるキャラクターたちを見守っている。「キャラクタードラマ」の誕生とSNSとの出会いは、そんなテレビの原風景を取り戻したのだ。
(文=てれびのスキマ<http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

最終更新:2014/01/15 12:59
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