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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 偽セキュリティソフト被害が急増
ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第34回

「気がつかず、自動更新されている場合も」偽セキュリティソフトによる被害が多発中!

Win-7-Internet-Security-201.jpgこの画面が出たらご用心!(イメージ画像)

 ネットを閲覧していると、突然「スパイウェアが検出されました!」とか「あなたのPCはクラッシュ寸前です!」と表示されることがある。無視すればいいのだが、その下に表示されている「セキュリティソフトを無料ダウンロード」ボタンをクリックしてしまう人がいる。セキュリティソフトを入れると、システムのチェックが行われ、数百件のトラブルが報告される。そして、有料のセキュリティソフトを購入するように誘導されるのだ。しかし、購入しても特に状況は変わらない。加えて、事あるごとに広告が表示されるようになる。


 もうお分かりの通り、これは詐欺。昔ながらの「点検商法」の変形版だ。セキュリティソフトとしての機能など備えず、そもそもその前のシステムチェックからして適当な数字を表示している。まず、エラーで不安にさせて、無料ダウンロードで釣り、ウソの分析結果でさらに不安にさせてお金をだまし取ろうとしているのだ。

 自分はだまされない、と思っている人ほどあっけなく引っかかる。例えば、無料ダウンロードのボタンをWindows風にしたり、マイクロソフトのロゴを隣に表示したりして、信頼させようとする。チェック結果は、本物のセキュリティソフトのUI(ユーザインタフェース)を真似して、レジストリエラーやアクティブXのエラーなどをそれらしく表示する。とはいえ、お金を払う段階になって、画面を閉じようとする人もいるだろう。そうすると、さらに脅してきたり、50%オフにしますと引き留めにくる。ここまでくると、狡猾すぎて、感心してしまう。

 価格は1000~2000円と手頃なので支払ってしまう人が多く、詐欺に気がついてもあきらめがつく価格だ。しかし、それで被害が止まるわけではない。なんと、この手の支払いは年間自動更新になっていることが多い。つまり、毎年勝手に引き落とされていくのだ。来年気がつけばいいが、発見できないと、たかられ続けることになる。さらに、海外サイトの契約を解除するのはとても面倒で、踏んだり蹴ったりだ。

 以前は、この手の詐欺は英語だけだったのだが、今では日本語に完全対応。日本語が怪しい詐欺ソフトもあるが、多くはよくできている。対応策は、信頼のできるセキュリティソフトを入れること。トレンドマイクロやシマンテックといった有名メーカーの製品を選ぼう。無料がいいなら、マイクロソフトが「Security Essentials」というセキュリティソフトを公開している。Windows 8なら、標準で同梱されている。

 くれぐれも、突発的に舞い込んできた広告経由で、怪しいプログラムをPCにインストールしないようにしてほしい。ましてや、どんな名目であれ、お金を支払う前には徹底的に調べてほしい。上記のトラブルも、ちょっとGoogleで検索すれば詐欺ということがわかるはず。普段の心がけが重要だ。
(文=柳谷智宣)

最終更新:2014/01/11 18:00
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