『最高の離婚』『ラジオ』ら、2013年ドラマベスト5を選出!
2014/01/03 13:00
『最高の離婚』/ポニーキャニオン
『あまちゃん』(NHK)『半沢直樹』(TBS系)などヒットドラマに恵まれた2013年。『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)などドラマ評論で活躍するライター・成馬零一が2013年のドラマベスト5を選出した。
☆5位 『最高の離婚』(フジテレビ系)
男女4人の離婚にまつわる騒動を描いた恋愛ドラマ。主演は瑛太、尾野真千子、綾野剛、真木よう子、脚本は坂元裕二、チーフ演出は宮本理江子という布陣だ。宮本は第1話しか演出していないが、全話において演出レベルは高く、『それでも、生きてゆく』、『最後から二番目の恋』(ともにフジテレビ系)で用いられてきた、長回しを多用することで役者の演技を魅せる宮本の方法論は、本作で完成したと言えよう。それは、坂元の脚本も同様だ。デートで食べる料理名から芸能人、音楽の名称まで、あらゆるものの固有名詞を散りばめた会話劇は作品内のリアリティを強固にする一方で、言葉にできないこと、例えば、恋愛感情の機微や唐突に到来する運命のようなものを描き出していた。
☆4位 『あまちゃん』(NHK)
宮城県北三陸市という架空の街を舞台にした朝の連続テレビ小説。東京でくすぶっていた主人公の天野アキ(能年玲奈)が、海女になることで明るく変化し、やがて地元のアイドルになっていく。過疎化する地方の町おこし、盛り上がりをみせるアイドルシーン、そして東日本大震災……。80年代と対比される形で08~12年の日本が巧みに描かれている。脚本は宮藤官九郎。大人計画という小劇場の世界からやってきた宮藤が、ついに全国区となったという意味でも画期的であり、00年以降のテレビドラマ史の総決算だと言える。
最終更新:2014/01/05 13:21
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