やっぱり“アノ国”とは永遠に分かり合えない!? 『呆韓論』が暗示する日韓関係の行方
#本 #韓国
『呆韓論』というタイトルに、「エキセントリックだ」という否定的な声も上がっているが、米「Newsweek」誌に「暴走する韓国 その不可解な思考回路 竹島をめぐる常軌を逸した行動と粘着外交」と題した号があったように、決して悪意あるタイトルではない。
そんな呆韓論というワードだが、初めて目にする人も多いはず。一方で、「嫌韓」ならば聞いたことはあるだろう。嫌韓、つまり韓国を嫌っている日本人は、2011年を境に圧倒的に増えたといわれている。それを裏付けるように、韓国批判がテーマの新書はたちまち増刷され、ネット上でも韓国に疑問を呈するようなトピックスのアクセス数は軒並み高く、SNSなどにもすぐさま波及する。その嫌韓の理由を「週刊SPA!」(扶桑社)は、【1)国民性(スポーツの国際試合で不正を省みず勝利にこだわる態度など)が嫌い:35.2% 2)反日だから:32.1% 3)領土問題:13.0%】と、アンケート結果を記す。
呆韓は、嫌韓を通り越し、「(韓国に)あまりにも呆れることが多い」と感じた著者が作り出した“新語”である。
韓国側からすれば「ステレオタイプな呆韓論」のようだが、著者のイデオロギーやプロパガンダから構成されているのではなく、見てきたものが率直に描かれている。それだけに、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が言うように「(この本を読んで)韓国とは上手くやれると思っていた私の淡い思いを粉々に壊してくれた。韓国との良好な関係を築くことは並大抵の努力では実現しないことを思い知らされた」(「MSN産経ニュース」より)。
だからこそ、政治の役目は重要になってくる。
とある在日のサッカー選手は、酒の席でこんな話をしてくれた。
「僕も若い時は、日本人が大嫌いでした。学生の時に、トレセン(有能な学生のサッカー選手を集めてサッカー協会が指導を行う場)に行っても、日本人としゃべらなかった。日本人なんか、って思っていました。けれど、Jリーグに入って、いろいろな方々と関わる中で、『あぁ、俺は差別されていたんじゃない。俺が差別していたんだ』って思ったんです。そこから、いろいろな人たちの話を聞くようになりました。今は日本人とか、肌の色や文化の違いで人を見ません。日本に尊敬する人もいっぱいいます。そういうのを母国でも伝えたいですよね」
本書は、個々がなんとなく持っている嫌韓を確固たるものにする。だが、ここで韓国を突き放してしまうと、上述したサッカー選手が言うような友好関係が日韓に生まれることはない。
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