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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 2013年アニメ業界を総決算!
週刊アニメ時評 特別編

『黒子のバスケ』脅迫事件、『進撃の巨人』大ヒット……2013年アニメ業界を総決算!

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 早いもので2013年もあと数日。残るイベントは毎年恒例の祭典・コミックマーケットのみ、というオタク諸兄も多いことでしょう。そこで今回は、この1年間のアニメ業界に起こった事件をランキング形式で振り返ってみます! 「あ~、あんなことあったな~」とか「えっ、あの事件って今年だったの?」とか振り返っていただければ幸いです!

10位「キルミーベイベーは蘇ったんだ!」

 2012年に放送され、一部に「キルミスト」と呼ばれる中毒患者を生み出したものの、Blu-ray/DVD第1巻の売り上げ初動枚数は686枚と振るわず、半ばネタアニメ化していた『キルミーベイベー』(ちなみにアニメオタク界隈では1キルミー=686枚という単位にもなってしまった)。しかし、ファンや公式Twitterの地道な活動により徐々に評価を好転させていき、10月16日発売のOVA付きベストアルバム『キルミーベイベー・スーパー』は約7000枚。12月4日に発売されたBlu-ray BOXセットは約4000セットを初動で売り上げるという快挙を達成。

 みにくいアヒルの子を地で行くようなサクセスストーリーに、多くのアニメファンは涙し、惜しみない喝采を送った。

9位「日常系アニメのニューウェーブが続々話題に!」

 『ゆゆ式』『きんいろモザイク』『のんのんびより』と、いわゆる日常系アニメといわれるジャンルの作品が数多く注目を浴びたのも2013年の特徴だ。「何も起こらない日常を描く」のが日常系アニメだといわれているが、これまでの作品はそれでも何かしらの事件が毎回描かれて、それなりに起承転結がついていたといえる。が、今年放送された日常系アニメは、輪をかけて何も起こらない作品が存在感を放っていた印象だ。とにかくキャラクターの魅力を掘り下げて、登場人物たちの情緒を丁寧に描くことでなんともいえない感動をもたらすこれらの作品は、言うなれば「ネオ日常系」。

 個人的には、限られた青春時代を思い切り謳歌するヒロインたちの天真爛漫な姿に、言いようのない切なさをオーバーラップさせた『ゆゆ式』最終話は、2013年アニメのベストエピソードだと思います!

8位「ラムズ消失」

 さあ、だんだんきな臭くなってきます。社内にイベントスペース、スタジオなどを併設したり、アイドル声優ユニットを結成したりと、いわゆる「2000年代声優アイドルブーム」の一角を担った声優事務所・制作会社のラムズが倒産したのも今年。3月31日に宮崎羽衣、野川さくらなど所属声優が一斉退社した後、突如公式サイトがメンテナンス中になり声優ファンの間で話題となった。その後、6月7日に東京地方裁判所より破産手続き開始を受けたことから、ラムズは消失してしまった。

 この事件は、アイドル声優業界に大きな一石を投じることになる……かと思いきや、そんなこともなかったようだ。しかし、一時代を築いた事務所の閉鎖は、声優ファンの間で大きな話題となった。

7位「ファンの暴行、炎上に巻き込まれる声優たち」

 ブログ、Twitterの普及やイベントの増加により、ファンと声優の距離が急接近した昨今、その弊害ともいえる事件が多く発生した。6月22日、『超次元ゲイム ネプテューヌ』先行上映イベント中、ステージ上に凶器を持った男が乱入。イベントは中止。また、出演声優の一人、田中理恵を名指ししながら暴れたことから、田中はショックのあまりTwitterを一時休止することになった。

 また、ファンの臆測がネット上で広がり、炎上してしまった事件も発生した。江口拓也がファッションブランド「perusona」を開設した際、ブランド運営関係者や住所などから「暴力団関係者と共同でブランド運営か?」と、根拠不明なウワサが声優ファンの間で拡散。江口自身がブログで釈明するという事態に発展した。その真偽は定かではないが、いずれにせよ芸能人としてメディアに出る機会が増えた声優たちもまた、自身の立ち回りについて再検討するべき時期なのかもしれない。

6位「東京オリンピック開催で思わぬ余波が!」

 2020年の東京オリンピック開催が決定したのも今年。それ自体は喜ばしいことなのだが、その余波が、アニメをはじめとするオタク業界にも意外な影響を及ぼし始めている。

 まず、毎年夏冬に開催されている日本最大の同人誌即売イベント「コミックマーケット」の会場となっている有明ビッグサイトが、2019年夏から2020年夏にかけて使用できなくなるかもしれないのだ。現在の招致プランによるとレスリング・フェンシング・テコンドーの競技のほか、プレスセンターが設置される予定となっており、準備期間を含めると、都合3回のコミックマーケット期間と被ってしまうのだ。

 また海外から多くのメディア関係者、観光者が日本を訪れるということで、過剰なお色気描写のあるアニメや美少女コミック(いわゆるエロ漫画)、同人誌に規制がかかるのではないか、ともいわれている。確かにポルノ表現に敏感な昨今だが、そういった表現など清濁併せ持った作品のハイブリッド性が「クールジャパン」の魅力でもある。今後、アニメ・オタク業界がどういう動きを見せるか注目である。

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