テレビウォッチャー・てれびのスキマが選ぶ、2013年のテレビ事件簿【バラエティ編】
#テレビ #バラエティ #てれびのスキマ
NHKと日本テレビがテレビ放送開始60周年、フジテレビとテレビ朝日が開局55周年という節目の年ということで、テレビを振り返る企画や番組が多く放送された2013年。NHKと日本テレビの共同特番『NHK×日テレ 60番勝負』では、28年ぶりに明石家さんまがNHKにサプライズ出演。そのサプライズに「今、テレビご覧になってる方は、本当にビックリされていると思う」と興奮するアナウンサーの声を遮り、さんまは言った。「いや、テレビの前の人はそうビックリしてないやろ、テレビやから」。テレビが、何が起きても不思議ではない“何でも起こり得る”メディアであることを端的に表す、さんまのテレビ哲学をはらんだ名言だった。
そんな「何でも起こり得る」テレビで今年、何が起きていたのかをトピックス形式で振り返ってみたい。
1位『笑っていいとも!』終了発表
2位『有吉反省会』など有吉の冠番組急増
3位『YOUは何しに日本へ?』など異形のドキュメントバラエティ台頭
■“普通”の人の日常が面白い!
13年、僕が番組単位でベストバラエティ番組を選ぶとするなら、『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京系)だ。空港にやってくる外国人=YOUに日本に何をしに来たかをインタビューし、面白そうなYOUに密着するというだけの番組。それが毎回、心を奪われる。日本にまでわざわざやってくるのだから、ほとんどの場合、その動機は「好き」だから。好きなことを情熱的に語り、全力で楽しむ姿を見ていると感動してしまうし、こちらまで楽しくなる。しかも、その「好き」が日本に対する感情だから、誇らしい気持ちも芽生えるのだ。またNHK総合の『ドキュメント72時間』や『ファミリーヒストリー』も、“普通”の人たちの日常を切り取るドキュメントだ。いずれも今年シリーズを重ね、強く印象に残った番組だ。前者はある特定の一箇所に密着しそこに訪れる人々の話を聞き、後者はある著名人の先祖(すなわち多くが一般の人)をさかのぼり、彼らがどのように生きたのかを探るものだ。いずれも起用するタレントは最小限なのも特徴的で、切り取り方を工夫すればこんなにも“普通”の人の日常が面白いということをテレビで伝えることができるのだという証明だった。
■有吉弘行の天下獲り
11年から始まった『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)もゲストのいないトーク番組という飽きられやすい形式ながら、完全に安定した面白さで続く中、いよいよ13年は有吉が天下獲りへ足場を固めた年といえるだろう。象徴的なのは『有吉反省会』(日本テレビ系)のスタートだ。96年、同じ日曜22時30分からの枠の『電波少年』で猿岩石としてブレークした有吉。しかし、アイドル的なブレークをしてしまったために、逆に人気が凋落した。地獄を見た有吉は07年頃から、あだ名芸がきっかけとなって再ブレーク。そしてついに17年の時を経て、メインMCとしてこの枠に戻ってきたのだ。今年始まっただけでも『今、この顔がスゴい!』(TBS系)、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)、『有吉弘行のダレトク!?』『ひろいきの』『ぶらぶらサタデー「有吉くんの正直さんぽ」』(フジテレビ系)でそれぞれMCを務め、以前から続く『有吉AKB共和国』『もてもてナインティナイン』(TBS系)、『ロンドンハーツ』『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日系)、『オトナへのトビラTV』(NHK Eテレ)、『ヒルナンデス!』『ネプ&イモトの世界番付』『ウーマン・オン・ザ・プラネット』(日本テレビ)と、レギュラー番組を数多く抱える。しかも、放送時間帯も昼、ゴールデン、ネオプライム、深夜と多岐にわたり、内容も街ぶらロケ番組、アイドル番組から情報バラエティ、お笑い、トーク番組まで幅広い。さらに、役割もMC、パネラーと全方位的だ。その上、準レギュラーや不定期のシリーズ特番もある。今年は『全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ系)のMCまで務めた。完全に中堅芸人のトップという枠を飛び越え、バラエティタレントとして中心的な役割を担うようになったのだ。
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