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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 大久保さんの「変わらない」強み
お笑い評論家・ラリー遠田の【この芸人を見よ!】第115回

オアシズ・大久保佳代子 セクハラ・下ネタで完全ブレークしたアラフォー女芸人の「変わらない」という強み

 一般に、大久保佳代子という芸人は「大久保さん」と呼ばれる。この呼び方は『めちゃイケ』で一般人扱いされたときに誕生したものだが、今では世間の人も大久保を「大久保さん」と呼ぶことが多い。大久保がさん付けされるのは、彼女が一般人にとって「身内」だと思われているからだ。

 芸能人は手の届かない存在だと思われているので、別世界の住人として呼び捨てにされることが多い。どんなに年上でどんなに実績があっても、「たけし」「さんま」などと呼び捨てにされるのが普通だ。だが、大久保だけは「大久保さん」と呼ばれる。それは、彼女が生粋の芸能人ではなく、会社の同僚ぐらいの身近な存在として世間に認識されているからだ。

 ただ、大久保は素人っぽさを売りにしているが、ただの平均的な一般人ではない。彼女は一流大学卒のインテリで、そのユーモアは知性に裏打ちされている。下ネタや悪口が嫌みにならない品の良さがあり、後輩にも慕われている。外見はさておき、女性としてのスペックは意外なほど高い。

 未熟という意味の素人ではなく、成熟した大人の素人。大久保は「最強の素人」という看板を背負って、スターがひしめく芸能界を華麗にハッキングしているのだ。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)

最終更新:2013/12/06 18:00
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