性の悩みは“セックスサロゲート”が解消する!? 映倫も迷ったR18指定の感動作『セッションズ』
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セックスサロゲートとしてのプロ意識の高いシェリルは、自宅に戻れば気のいい夫と年ごろの息子がいる主婦であり母親でもある。だが、マークとのセッションを重ねていくうちに、どうしようもなくマークに自分の心が揺り動かされていることに気づく。有料セラピーの一環であることをシェリルは自覚しているものの、ひたむきな愛情を全力で注いでくるマークに今まで感じたことのない愛おしさを抱くようになってしまう。お金や倫理観だけでは割り切れないのが、セックスであり愛情というものだろう。キャリア豊富なシェリルだったが、彼女も裸になって心を開けば生身の1人の女性。疑似恋愛のはずが、マークもシェリルもいつの間にか本気になっていた。2人はセックスの素晴らしさを痛感すると共に、肉体と心の結びつきの深遠さを知り、戸惑いを覚えることになる。
欧州ではゆるいレイティングとなっているが(スウェーデン、デンマーク、ノルウェーでは年齢制限なし)、日本ではR18指定となった『セッションズ』。性描写に厳格な日本の映倫らしいレイティングだ。映倫の審査は2名1組の審査員が試写をチェックした直後にレイティングを配給側に伝えるのが通例だが、本作では2名の審査員の意見が一致せず、映倫全体で再度会議に掛けてからレイティングを慎重に決めたという経緯があった。日本での配給を手掛ける20世紀フォックス映画も重要なセッションシーンをカットしたり、ぼかしを入れるよりは……とR18指定を呑んだとのことだ。R18という年齢制限が適切かどうかは、観る人が自己判断で決めてほしい。
射精は一瞬の快感だが、その後には心だけでなく体全体に人を愛するという温かい感情が満ちていくことになる。この尊いセッションは、チェリーボーイならずともぜひ体験してみたい。
(文=長野辰次)
『セッションズ』
原作/マーク・オブライエン 監督・脚本/ベン・リューイン 出演/ジョン・ホークス、ヘレン・ハント、ウィリアム・H・メイシー、ムーン・ブラッドグッド、アニカ・マークス、ロビン・ウェイガート R18+ 配給/20世紀フォックス映画 12月6日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
(c)2012 Twentieth Century Fox Corporation. All Rights Reserved.
<https://www.facebook.com/FoxSearchlightJP>
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