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『くそガキの告白』DVD発売記念クロストーク

園子温、入江悠に続く“第三の男”鈴木太一監督、キンコメ今野が明かす性格破綻ぶりがすごすぎる!

IMG_6767_.jpg『くそガキ』のラストシーンは撮影当日の朝、修正台本が渡された。「セリフが多くて、僕も田代さやかさんも大変だった。でも、太一さんが徹夜で粘って書き直してよかった。キスを振りに使った、斬新なコメディシーンに仕上がったと思います」と今野は振り返る。

──今野さんは『ちょんまげぷりん』(10)や『高校デビュー』(11)で脇役ながらイイ味を出していましたが、主演となると背負うものが違った?

今野 そうですね。『くそガキ』に主演するまでは、お笑い界の人間が映画の世界にゲスト出演しにいくって感じで、自分でも軽さを意識していたんです。でも、『くそガキ』では主演の重荷を一度背負ってみようかと。いや、しかし想像以上に大変な現場でした、『くそガキ』は。

──太一監督は、撮影現場をまるで仕切らなかったそうですね。

鈴木 いやいや、俺に仕切らせたら大したもんですよ。俺が本気で現場を仕切ったら、大変なことになりますよ。

今野 それ長州力のマネですか? ちゃんと仕切ってから言ってくださいよ! 残念なことに、自分のことだけ考えていればいいっていう現場じゃなかったんです。こんな現場は他ではちょっとないですねぇ(苦笑)。

鈴木 今野さんが主演じゃなかったら『くそガキ』は完成してなかった。というか、映画そのものが存在してなかったと思う。

今野 とか言いながら、実は、僕は第一候補じゃなかったんですよね。知り合いの俳優にみんな断られたから、僕のところに持ってきたんでしょ?

鈴木 いやいや、最初はもっとこぢんまりとした自主映画のつもりで、知り合いの役者に声を掛けたんだけど、2人続けて断られてしまって。ほんと今野さんが演じてくれてよかった。誰も引き受けてくれなかった場合、フェイクドキュメンタリーとして、自分がカメラ持って出るつもりでしたから。

今野 じゃあ、自分で主人公を演じて、ヒロイン役の田代さやかさんにキスを迫るつもりだったの?

鈴木 いやいや、それは違う! 違う! フェイクドキュメンタリーとして考えていたときは、まだラストはキスシーンにしようとは考えてなかったから。自分が演じてのキスシーンは気持ち悪いですよ。キスシーンを思いついたんで、ちゃんとしたプロに演じてもらおうと考え直したんです。今野さんと田代さんに出てもらって、本当によかった。2人に出てもらったことで自主映画ではなく、外に開かれた映画になりましたからね。

■園子温は憧れの存在、入江悠は嫉妬する存在

──『みんな!エスパーだよ!』では、田代さんが第5話でゲスト出演していましたね。田代さんともう一度仕事をしようと太一監督から声を掛けたわけですか?

鈴木 『くそガキ』で熱演してくれた主演の2人には、どちらにも出てほしかった。今野さんにも、出てもらうつもりだったんです。第5話で、『みんな!エスパーだよ!』の舞台となっている愛知県豊橋市に高倉健級のスーパースターがやってきて、女子高生みんなでパンチラを見せるシーンがあったんですが、そのスーパースター役に今野さんを考えていたんです。でも台本が長くなってしまって、物語と関係ないシーンなのでカットせざるを得なかったんです。

今野 そんな無理やりなシーン、そりゃカットされるでしょ(笑)。

鈴木 う~ん、スーパースター役は誰かということは、台本では伏せてたんだけど。

──そもそも『みんな!エスパーだよ!』に園子温、入江悠に続く“第三の男”として呼ばれた経緯を教えてくださいよ。

鈴木 第三の男……。まぁ、そうか。プロデューサーに以前、『くそガキ』がきっかけで携帯ドラマの仕事に呼んでいただいたんです。それが好評だったということなんですが、やっぱり1本、長編映画を撮っていることで映画監督という肩書ができたのは大きかったです。そうじゃなかったら、ただのフリーターでしたから。『みんな!エスパーだよ!』では、園監督にいろいろお世話になりました。ロケハンの際に一緒にお酒も飲めたし、第1話とかの撮影現場も見せてもらった。園さん、酒を飲んで暴れる人かと思っていたけど、すごく気を配る人だった。あれだけオリジナリティーのある脚本で常に挑戦していて、ヒットもする。今の日本の映画界にあって、園さんは特別な存在ですね。

今野 園監督が特別な存在なら、太一監督は特殊な存在(笑)。

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