ZONEは金爆の先駆けだった!? バンドかアイドルか…ボーダーレス化する“バンドル”を追う
#リアルサウンド
今、ガールズ・ロックを語るのに外せないのは住所不定無職という名のバンドです。「あの娘が歌うaikoが好き」と歌っていた数年前のサイケでガレージな印象からメンバー編成も曲調もポップに変容して、最近はメジャー感が炸裂しています。「バンドル」というカテゴリーでは語りにくいですが、他のガールズ・バンドにも彼女たちぐらいブッ飛んだ冒険心を持ってほしいものです。
住所不定無職「IN DA GOLD,」
名古屋の女子大生バンド、カーリーズもキュートな楽曲とルックスが魅力的なバンドでした。かつてフランク・ザッパが「ビートルズより重要な存在」と評したアメリカの超絶的脱力系ガールズ・バンド、ザ・シャッグスにも似たピュアネスで一部のロック・ファンから熱狂的な支持を受けました。今年の春、大学卒業を機会に活動休止してしまったのが惜しまれます。
カーリーズ 「baby blue / スローモーション」
「バンドル」をテーマに、アイドル・グループとバンドの両方を紹介してまいりましたが、その境界線に立っているのが、その名も「バンドじゃないもん!」でしょう。神聖かまってちゃんのドラマー、みさ子が結成したこのユニットは、金子沙織(かっちゃん)とのツイン・ドラムで、アイドル・ポップス寄りのバック・トラックに合わせて2人でドラムを叩きながら歌うという前代未聞の越境者、カテゴリー・クラッシャーでした。
バンドじゃないもん!「パヒパヒ」
しかし、バンドじゃないもん!は今年9月にかっちゃんが脱退。現在の編成はみさ子1人がドラムス、アイドル然とした新メンバー4人がボーカルとなっているようです。これではもうわざわざ「バンドじゃないもん!」と言わなくてもいい感じで、現代の混沌とした「バンドとアイドルのボーダーレス状態」を象徴している存在といえるでしょう。
そういえば、AKB48の新曲「ハート・エレキ」もバンド編成を意識したビジュアルを展開しています。楽器を演奏する可愛い女の子たちの姿には普遍的な訴求力があり、「バンドル」のニーズが常に市場に潜在していることの証明かもしれません。
●山口真木(やまぐち・まき)
大阪出身の27才、OL。ポップスとロックと女の子をこよなく愛する。何かに毒づいてばかりの思春期まっただ中。先日ある飲み会で知り合ったバイセクシャルの女の子に何度もチューされてしまいました。こんなことは初めてなのですが、女の子って、柔らかいですね……。身体の奥で地殻変動が起きたような気分の、危ない秋です。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事