「負けず嫌いマッチ」が思い出させる、無意味でくだらない『いいとも!』の存在意義
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そして11月1日。「劇団ひとりがあらゆるズルをして、誰がボールを持っているのか当てる」というルールの「メンタリストShoGo」という企画で、「絶対に負けない、負けたらこのコーナー終了でもいい」と自信満々に宣言し挑んだが、あえなく敗北。タイトルに「新」とか「2」などがついて続くのかと思われたが、本当に終了。3年間かかってつかんだ冠企画は、わずか2カ月あまりで終わってしまったのだ。
その後、この「負けず嫌いマッチ」は金曜レギュラー陣の持ち回りになった。中でもすごかったのは、草なぎ剛。「クイズ!草なぎ剛が“今”履きたいジーパンはどれでSHOW」と題した企画だが、草彅は企画そっちのけでジーパン愛を語りつくし、あのタモリを唖然とさせてしまうほど。好きなモノをなりふり構わず楽しげに熱弁する姿を見るのは、ひたすら楽しく幸福感あふれるものだった。
さらに翌週の爆笑問題・田中が用意した企画は、大の猫好きらしく「おいで、おいで!ネコちゃん」。ステージ中央にいる一匹の三毛猫を左右の指定された位置からオモチャなどを使って呼び寄せる対決だ。そこで田中は、いかに自分が猫好きであるのかを大真面目に語るのだ。「人間対猫の戦争がもしあったら、猫側につく!」と。人間対猫の戦争って……?
そして田中は恥も外聞もなく猫を呼ぶために嬉々として「ドロップちゃん!」「ドロップちゃん!」と猫の名前を叫び続けるのだった。
なんという意味のなさだろうか。なんたる不毛だろうか。あまりにもくだらない。それが、真っ昼間に放送されているという狂気。無意味でくだらない、ただ「楽しい」だけという空間がいかに貴重であったのかを、『いいとも!』終了の報と、ハチャメチャなこの「負けず嫌いマッチ」で実感するのだ。“情報”なんてなくていい。ムダであることが、かけがえのないことだと教えてくれる。
『いいとも!』は、無意味であることに意味があったのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
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