デリヘルの市場規模は鳥取県クラス! 世界に広がる「下半身」経済のマーケット
#本
「風俗に行く男の気持ちがわからない」という女性は多い。しかし、男性としての意見を言わせていただくなら、「寂しいから」「ストレス解消で」「たまには羽を伸ばしたい」「いつもとは違う抱き心地を」「友達に誘われたから」等々、ネオン街に足を運ばせる理由は枚挙にひまがないのだ(女性には言い訳に聞こえるかもしれないが……)。
そんな、世の男性たちの煩悩が結晶化したような性風俗産業。門倉貴史氏の著書『世界の[下半身]経済のカラクリ』(アスペクト)は、日本をはじめ、世界中の性風俗産業の仕組みを紹介するとともに、経済評論家である門倉氏が、その知見を元に経済規模までを推計してしまった一冊だ。
ソープランドならば9,285億円、イメクラは5,414億円、ピンサロは4,556億円、デリヘルならば鳥取県の県内総生産とほぼ同じ1兆8,362億円……etc.と、門倉氏が計算した下半身経済に集まる金額を累積すると、ほとんど国家予算のような額に膨れ上がっていく。男たちが汗水たらして稼いだお金は、積もり積もって莫大な金額となって歓楽街の闇の中へと消えていく。女性からすれば、とんだバカみたいな話かもしれないが、男性にとってはそれほどまでに切実にならざるを得ないのが下半身経済である! と、ご理解いただきたい。
国内風俗産業の市場規模のみならず、本書では、タイトル通り世界中のあらゆる国々の下半身経済についても実態が語られている。
ドイツ、ケルン市では、売春婦一人につき1日6ユーロ(約800円)の「セックス税」なる税金を課したところ、なんと年間1億円以上の税収増加につながった。ギリシャでは、通例ではGDPに含まれないセックス産業の金額を含めたところ、400~600億ユーロ(約5兆4000億~8兆1,000億円)もGDPが増加し、巨額の財政赤字を押し隠すことに成功した(もちろんこの見せ掛けは、2010年の財政危機で露呈する)。オーストラリアでは、世界で初めて売春宿が株式上場を実現し、タイではGDPの46%となる6.5兆円が風俗産業の市場規模。台湾では公娼制度を一時廃止していたものの、売春婦たちが活動を続けた結果、11年に再び売春が合法化された。
……と、世界のさまざまな国々で、その国独自の売春産業が営まれている。ただし、殿方の下半身は、世界を動かしているのだ! と、能天気に終わることができないのが、風俗産業の難しいところ。その前には、「人身売買」や「児童ポルノ」「暴力団・マフィアへの資金流出」など、根深い問題が横たわっているのだ。
だからといって、やみくもに規制の網をかければいいというわけではない。
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