「視聴率至上主義は東京の論理」『水曜どうでしょう』ディレクターのテレビ論
2013/11/18 12:00
#テレビ #本
そんな『水どう』はキー局では考えられないほどの低予算番組と思われるが、「そもそもいい番組をつくるために最も不可欠なものって何でしょうか。お金でしょうか。違います。人間関係です」と藤村氏は語る。そして、『水どう』が支持される理由も、「私と大泉との人間関係にあると思っています」と、堂々と話す。大泉とは、もちろん同番組がきっかけで全国区となった俳優の大泉洋のことだ。
「私は、あの番組では、大泉に好きにやらせるんです。あえて。そうすると、彼も、困惑しながらもきちんと彼らしいことを出してやってくれる。私は彼に魂を預ける、彼も私に魂を預ける──そういう信頼関係の上に成り立っています」
「事実いい加減な部分は多いのですが(笑)、人間関係の部分だけは『いい加減』では絶対にダメなんです」
視聴率よりも視聴者を見つめ、制作費よりも人間関係を重視する。番組づくりの問題が次々と明るみに出る今、「自分たちにしかできないオリジナリティ」を追求するローカル局にこそ、キー局が立ち返るべき原点とテレビの未来があるのではないだろうか。
(文=編集部)
最終更新:2013/11/18 12:37
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
20:20更新
イチオシ記事
山岳民族に残る「嫁さらい」の実情を追う 『霧の中の子どもたち』と日本の非婚化