自称“クズ”芸人コンビ・スパローズ新作DVDは「出しても売れませんよ」「断ったほうがいい」
#お笑い #インタビュー
大和 消費者金融に借りたのは四百何十万で、あとは家賃を何カ月か滞納して、人からも借りていて……本当にやばいときはもう、総額を計算できないんですよ。2日に1回くらい返済日があって、15社にいくらずつ返す、っていうのを考えないといけないので。
でも、本当に追い込まれたら芸人辞めることも考えないといけないんですけど、僕はなんとか踏ん張ったんです。これ以上だと親に連絡が行くな、と。そこで初めて努力の大切さを知るんです。もう、この人には言いづらいけど言わなきゃいけない。言うためにはちゃんとした格好しないといけない、とか。ギリギリのところで今度はまともな人間に変わっていくんですよ。そこを乗り切るために努力しました。芸人続けるために、なんとか踏みとどまったんです。逃げることもできたんですけど、逃げたらお笑いができなくなるので。
――最近は『カイジ』など、ギャンブルにのめり込んだりするクズの心理を描いたマンガも多いと思いますが、好きなマンガはありますか?
森田 僕が一番好きなのはやっぱり、福本伸行先生の『最強伝説 黒沢』ですね。あれの人間模様の描き方はすばらしいなと思って。工事現場で周りから好かれるためにアジフライを買ってきてこっそり弁当に入れるところとか、たまらないですよ。
大和 『カイジ』でいうとやっぱり、一番わかりやすいのは地下帝国のところなんですよね。節約するつもりだったのに、ビール1杯飲んだら崩れていくとか。
――『闇金ウシジマくん』なんかはどうですか?
大和 『ウシジマくん』は、読み終わった後に暗い気持ちになるじゃないですか。ひどいマンガだな、って。で、そこでふと気付いたのが、あっ、2~3個は自分のほうがひどいのあるな、って。『ウシジマくん』のエピソードに勝ってるんですよ。
森田 たぶん普通の人は、『ウシジマくん』を非現実的なものとして見てるじゃないですか。でも、僕らにとっては現実なので。
――リアルなものとして楽しめる、ということですか。
大和 いや、僕は楽しめなかったですね。すぐそこにある現実のような気がして、ただ重い気持ちになりました。マンガに出てくるめちゃくちゃひどい状況の人も、それにかするくらいの人には実際に会ってたりするんですよ。お金がなくて行った日払いのバイト先には、そういう人の予備軍がいっぱいいますから。あれはやっぱり楽しめない。僕にとっては、ファンタジーではないですね。
――DVD『ビジネスクズ』はどういう人に、どういうふうに見てもらいたいですか?
森田 気楽な感じで、たれ流しで見てほしいですね。じっくり見なくていいと思います。ろくでもないやつらがなんかやってんな、っていう感じで。
大和 あと、自分は普通だと思ってる人とか。普通に学校入って普通に就職して、っていう人が見たら、ああ、こういう世界があるんだ、って新鮮に思えるかもしれないですね。
――それとは逆に、クズな人にもおすすめですか?
大和 そうですね。『ウシジマくん』とかだと生々しくて引いちゃうかもしれないけど、これは笑いにしてるんで。本物のクズの人が見ても「浅いよ」とは絶対思われない自信があります。ちゃんと攻めてるのもありますから。クズな人から真面目な人まで楽しめると思います。
(取材・文=ラリー遠田)
●スパローズ
森田悟、大和一孝の2人から成るお笑いコンビ。共に福岡県出身。11~13年には3年連続で「THE MANZAI」認定漫才師に選ばれている。
オフィシャルブログ
<http://ameblo.jp/asai-sparrows/>
●イベント情報
11月17日(日)DVD発売イベント開催!
詳細は以下のURLにて。
<https://ssl.bsfuji.tv/form/jj/form/sparrows_form.html>
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