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DVD『ビジネスクズ』リリースインタビュー

自称“クズ”芸人コンビ・スパローズ新作DVDは「出しても売れませんよ」「断ったほうがいい」

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森田 “遅刻で怒られるぐらいなら、はねられたほうがいい”って(笑)。あと、ボートレース場に行って、お金がないからずっとボートのエンジン音だけ聞いてる人とか。そういう人たちの中で育ったんで、自分たちがクズだとは一切思ってなかったんですよ。でも、最近急に、周りからひどい、ひどいって言われ出して。

――最近の若手芸人には、真面目な人が多そうですよね。

大和 お笑いの学校ができたからじゃないですか。みんな高校とか大学を卒業して、そこからまたお笑いの養成所に入るじゃないですか。だから、真面目な感じが多いですよね。

森田 僕らが芸人を始めた頃は、大卒もほとんどいなかったですからね。今はもうみんな大学行ってて、1年養成所行って、23歳ぐらいから始めるでしょう。人間ができあがってから、お笑いを始めてるんですよね。

大和 そういう人は、努力の仕方を知ってるんですよ。大学受験とかを乗り越えた人って、ネタ作るための頑張り方を知ってる。僕らは乗り越えられなかったから、寄り道しちゃうんです。その寄り道の部分がネタになってる。

森田 僕らの場合は「ラクしたいからお笑い始めた」みたいなところもありますからね。

大和 ラクしたくて始めたことで苦しめられてる。そこから生まれたクズなんです。

――お二人がネタにしている「クズ」とは、わかりやすく言うと、どういうことなんでしょうか。

森田 僕が思うに、僕らのクズはファンタジーなんです。例えば、うちの大和さん、携帯電話の料金をどのぐらい滞納してたんでしたっけ?

大和 15年。

森田 たぶんこれが3年滞納だったら、「なにこの人、ひどい!」になるんだけど、15年って聞くと、お客さんの想像を超えてるから、ファンタジーになるんですよ。そんな世界があるんだ、っていう。

大和 想像できる範囲だと引かれちゃうんですよ。「あの人、友達に1万借りて返してないらしいよ」って言われたら「ひどいやつだな」ってなるけど。

森田 大和さん、バイト先の人にいくら借りてるんでしたっけ?

大和 45万。

森田 そうなると、もうファンタジーなんですよ。

大和 45万までどうやって借りたんだろう、っていうことがわからないから、もう笑っちゃってるんですよ。

森田 あと、ちょっと「すごい」になるんです。15年滞納とか45万借りてるとかになると、私には真似できない、すごい、っていう方向になってくるんで。

大和 自虐ネタも、コツは一緒なんですよね。「俺たち売れてませんから」とかちょっと言うより、売れなさすぎて吉本興業っていう大きな組織にまで文句を言うくらいめちゃくちゃだと、もう誰も怒らないんですよ。自虐もぶっとんだ感じにして、行き着くところまで行けば笑えるんだな、っていうのを学んだのかもしれないですね。

――クズも自虐も、笑える・笑えないのラインがありますよね。

大和 あります。だから、クズなことを言うときも「みんなが引くんじゃないかな」って思わずに、もっと上を行ってしまえば笑いになるんですよ。もう意味がわかんないから。

――最近、ウーマンラッシュアワーの村本さん、ドランクドラゴンの鈴木さんなど、クズキャラを売りにして活躍する芸人さんが増えていますね。この「クズブーム」の風潮については、どう思いますか?

大和 面白いと思います。それぞれ種類が違うんですよね。

森田 村本くんはファンに手を出すとか、女性関係のクズ。鈴木さんは本当に何もしない、やる気がないタイプ。

大和 僕らはお金がない、ネタ作りもあんまりしない……手持ちのクズのパターンは多いと思いますよ。女性関係でクズな部分もありますし。

森田 借金に関しては、これから出てくる若手には負けないと思います。今の時代はもう、大和さんほど借金できないんで。

――法律が変わりましたからね。

森田 最後のサラブレッドだと思いますよ。

大和 たぶん、この感情をリアルに伝えられる人は、もう生まれないんじゃないかと思います。これだけ借りてる人は、犯罪やらかすぐらいの追い込まれ方しますから。

――借金の額は、ピーク時にいくらぐらいだったんですか?

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