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DVD『ビジネスクズ』リリースインタビュー

自称“クズ”芸人コンビ・スパローズ新作DVDは「出しても売れませんよ」「断ったほうがいい」

IMG_0745.jpg撮影=名鹿祥史

 自らを「クズ」と称する自虐ネタが業界内で評判を呼んでいるスパローズ。借金を重ねて地獄を見た、芸歴19年なのに売れていない、ネタ作りもサボりまくる……。ただクズに生きることを突き詰めた彼らは、漫才、コント、フリートーク、すべての分野でクズな笑いをもぎ取る「クズのスペシャリスト」となった。

 そんな彼らが11月8日、初のDVD『ビジネスクズ』(三栄書房)をリリースした。自他ともに認める「キング・オブ・クズ芸人」の2人がクズの生き様を語る。

――DVDが出るという話を初めて聞いたとき、どう思いましたか?

森田 「出しても売れませんよ」って、はっきり言いました。

大和 「いざ出して売れないとなると、僕らのことを応援してくれてる数少ないファンの人たちにも迷惑をかけることになるから、断ったほうがいい」って、マネジャーにも言ったんです。

森田 最初はスタッフの人にも「これはとりあえず出すだけで、売れるかどうかは関係ないから」って言われてきたんです。でも、発売1~2週間前あたりから急に、「○○枚は売ってもらわないと……」とか生々しい数字を突きつけられて(笑)。まあ、出していただけるのはありがたいので、どんな汚い手を使ってでも売っていこうとは思ってます。

――このDVDには、今年5月に行われた単独ライブ『ビジネスクズ』が収録されていますね。このライブをやるにあたっては、初めからクズをテーマにしてネタを作るという気持ちがあったんでしょうか?

森田 いや、別にそういうつもりもなかったんですけどね。僕らが作ったネタを周りが見たら、クズに見えただけなんです。

大和 普通にやってるネタに「クズ」という言葉があとからついてきた感じなんで。

森田 ショックだったのは、前売チケットが即完(即日完売)で、追加公演までやったんですけど、4公演で当日キャンセルが70枚。お客さんのほうがクズだったっていう(笑)。

大和 まあ、これも僕らが、ローソンチケットに頼むお金をケチったせいなんですけどね。メール予約のみ、っていう人間を信じたやり方をしたんです。でも、大勢キャンセルが出たから、結局、手数料を払ってでもローソンチケットに頼んだほうがよかったんですよ。次からはローソンチケットを使います。

森田 お客さんが空席を見て「即完って、ウソだったんだ」って言いだしましたからね。

大和 やっぱり来なくてもいいから、お金だけは払ってもらわないと困るんで。そのためには、ローソンチケットは必要なんですよ。

森田 何回ローソンチケットって言うんだよ!

――いまや都内のお笑いライブシーンでは「クズといえばスパローズ」というイメージがありますが、お二人はもともと、ご自分たちがクズだとは思ってなかったそうですね。

森田 そうですね。もともと僕らは福岡でお笑いを始めたときに、芸人だったら借金しろ、酒飲め、ギャンブルしろっていう教えを受けて育ってきたので。それをそのまま続けていたら、東京に来てから周りの芸人に「それはおかしい」って言われて。福岡にいた頃は、僕らなんかよりもっとすごい先輩がいたので。車に住んでる40過ぎのおじさんとか。

大和 遅刻をごまかすために、車に飛び込んだことがある人とか。

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