【前編】一本化は必然だった AnimeJapan 2014誕生への軌跡をTAFとACE両者が語る
【オタクに”なるほど”面白い! オタクニュース・ポータル「おたぽる」より】
一本化は、誰もが求めていた必然であった。2014年3月22、23日の2日間にわたって東京ビッグサイトで開催される予定の「AnimeJapan 2014」。過去2回にわたって共に3月に週をずらして開催されていた「東京国際アニメフェア(TAF)」と「アニメコンテンツエキスポ(ACE)」が発展して開催される日本最大のアニメの見本市である。
そもそも、同じ時期に2つの巨大なアニメの催しが併存した理由は、マンガ・アニメの表現の自由を抑圧するとして問題になった東京都青少年健全育成条例改定問題がきっかけであった。条例の可決に対して大手出版社によって構成されるコミック10社会は、東京都知事が実行委員長を務めるTAFのボイコットを決定。そうした状況の中で、ファンに対してコンテンツを届ける目的で立ち上がったのがACEであった。
以来、2回にわたって(2011年は両イベント共に震災で中止)開催された2つのイベントは、それぞれに最善を模索し、新イベントの立ち上げへと至ったのである。今回は、過去2回の両イベント併催の総括とAnimeJapan 2014の開催へ至る経緯を中心に、TAF側から北上浩司氏、ACE側からは高橋祐馬氏(両人ともAnimeJapan 2014のプロデューサーでもある)のお2人にご足労をいただき、話を聞いた。
――まずお伺いしたいのは、今回TAFとACEが一本化されるに至った経緯です。この話は、いつ頃からどういう形で持ち上がったのでしょう?
高橋 それには2010年から話を始めなければなりません。2010年末にACEが実施されることになりましたが、この時点から「経緯があるとはいえ、常に情報を共有していなければならない」と考え、TAFの運営事務局を管理する日本動画協会さんとは開催前も開催後も連絡は取り合っていました。
2011年は震災のため、両イベント共に中止になってしまいました。そして、あらためて2012年に2つのイベントがそれぞれ開催されることになったわけですが、その時点でもお互いにどのような形でイベントを開催していくかは密に連絡を取り合っていたのです。
事の経緯もあり、2012年の段階で単一開催は、選択肢としてはありませんでした。しかし、やってわかることはたくさんありました。本来、業界やファンが望む形は、みんなが納得する形を前提にした単一開催ではないかということです。そこで2012年以降、連絡を取り合う中で「単一開催にすべきかどうか」も含めて議論するようになったのです。
そして2013年の2回目の開催を経てさらに見えてきたことを踏まえて、今年4月から単一開催に向けての議論の模索を始めました。内々のところで、大まかな指針が決まったのは今年の7月です。
――つまり、TAFとACEのどちらからか提案したというわけではないのですね。
高橋 そうですね。弊社(アニプレックス)単体の立場からいえば、弊社は日本動画協会の会員でもあります。そこで、敵対やいがみ合いをしても発展性はありません。ただ、2つのイベントが存在するに至る流れがあったのも事実で、それが単一開催されるのに際して、ファンや業界だったり、状況に対して筋を通さなければいけないという意識はありました。その上で、議論や検討の中で、業界やファンに最もよい形で届けられるのは今回の形態という方向性が、TAFとACEの双方ともに見えてきたのです。
――それが具体化したのが7月というわけですね。
高橋 そうですね。大筋のところを決めたのはその頃です。
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