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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > (C)2012 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. and Screen Gems, Inc. All rights reserved.

37年前の名作ホラーを、クロエ・グレース・モレッツでリメイク『キャリー』

carrie_001.jpg(C)2012 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. and Screen Gems, Inc. All rights reserved.

 今週紹介する新作映画は、亡き織田信長の後継者を決めた有名な会議を豪華出演陣でユーモラスに描く時代劇と、少女の超能力がもたらす惨劇を描いた名作ホラーの37年ぶりのリメイク。題材は古くとも、旬のキャストとフレッシュな演出で現代の観客を楽しませてくれる2作品だ。


 11月9日公開の『清須会議』は、三谷幸喜が原作、脚本、監督を務め、会議を主要な舞台とした異色の時代劇。天正10年(1582年)、本能寺の変で織田信長が死去した後、家臣の柴田勝家(役所広司)や羽柴秀吉(大泉洋)らが後継者を決めるため尾張国の清洲城に参集する。勝家は信長の三男でしっかり者の信孝を、羽柴秀吉は次男でうつけ者の信雄をそれぞれ後継に推薦し、実権を握ろうと画策するが……。

 役所、大泉のほかにも佐藤浩市、浅野忠信、松山ケンイチ、中谷美紀、妻夫木聡、伊勢谷友介、鈴木京香、剛力彩芽、西田敏行、天海祐希など主役級をぜいたくに配した文字通りのオールスターキャスト。舞台劇から映画化された『12人の優しい日本人』(91年)、『笑の大学』(04年)のように論戦や対話による作劇を得意とする三谷監督が、日本の歴史を動かした重要な会議をユーモアも盛り込みながらドラマチックに描き出す。織田家の血筋を強調する「付け鼻」など、一部の俳優への大胆な特殊メイクも見どころだが、別人に見えてしまうほどの変貌ぶりにファンは複雑な気持ちになるかも。城内の豪華なセット、美麗な衣装も合わせて楽しみたい。

 11月8日に封切られる『キャリー』は、1976年にブライアン・デ・パルマ監督が映画化したスティーブン・キングの同名ホラー小説を、クロエ・グレース・モレッツ主演で再映画化した作品。内気な高校生のキャリー(モレッツ)は、学校では笑い者にされ、家では狂信的な母親(ジュリアン・ムーア)に束縛されて、孤独な日々を送っていた。ある日いじめられたことがきっかけになり、キャリーは念動力を発現させ、次第に能力を高めてゆく。クラスの人気者トミーからプロムパーティーに誘われ、母親の反対を押し切ってパーティーに出かけるが……。

 原作者のキングは『キャリー』以降、ベストセラーを連発し、「モダンホラーの帝王」と称されるまでに。デ・パルマの後も、スタンリー・キューブリック、デビッド・クローネンバーグ、ロブ・ライナーといった名監督がこぞってキングの小説を映画化した。そうした一連のキング原作映画の最新版でもある本作は、スマホで撮影した動画によるいじめなど現代的なアレンジを加え、最新の視覚効果で超常現象をスペクタクルに表現。現在16歳、大人びたドレスが似合うミドルティーンに成長したモレッツは、うつむきがちな序盤、少しずつ自信をつけていく中盤、そして悪質ないじめに感情を爆発させるクライマックスへと、ヒロインの変化を印象的に演じ分けた。監督は『ボーイズ・ドント・クライ』(99)のキンバリー・ピアース。女性監督による視点も、デパルマ版とは一味違う青春の切なさ、残酷さに反映されているようだ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『清須会議』作品情報
<http://eiga.com/movie/77213/>

『キャリー』作品情報
<http://eiga.com/movie/77437/>

最終更新:2013/11/09 15:00
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