「Kスタ開催を受け入れたばっかりに……」プロ野球・巨人が日本シリーズで大損したワケ
第7戦までもつれた今年のプロ野球日本シリーズは、大方の予想を覆し、星野仙一監督率いる東北楽天ゴールデンイーグルスが巨人を破り、球団創設9年目にして初の日本一に輝いた。
両チームのナインの中で最も注目されたのは、今シーズン24連勝の成績を残し、今オフの大リーグ移籍が確実視されている楽天のエース・田中将大。第6戦では完投したものの敗戦投手となり、昨シーズンからの連勝記録が30でストップしたが、各スポーツ紙の1面は田中の敗戦一色。おまけに、最終戦までもつれ込んだことで、第6戦、第7戦を開催した楽天の本拠地・Kスタ宮城の周辺には多大なる経済効果がもたらされた。
「楽天の本拠地の観客席数は、増設したスタンドも含めて2万5,000人程度。ところが、これまで、日本シリーズの開催球場の条件はキャパ3万人以上が基準となっていたため、巨人の本拠地・東京ドームと、Kスタ以外のほかの球場での開催が検討された。ところが、楽天は東日本大震災の復興のシンボルであることからも、地元のファン感情などを考慮し、半ば特例のような形で開催されることが決定した」(プロ野球担当記者)
自他共に認める球界の盟主である巨人ならば、Kスタ開催に“待った”をかけることもできたはず。あっさりKスタ開催を受け入れたのは「田中に1敗したとしても、東京ドームで開催される第4戦、第5戦までに決着がつくだろうと巨人の選手も首脳陣も楽天的に考えていた」(同)という。だが、Kスタ開催を受け入れてしまったため、儲け損ねたようだ。
「両チームの選手に対する日本シリーズの分配金は、第4戦までの入場料収入から経費を引いた約3割が、勝ちチームに6割、負けチームに4割の割合で分配される。ところが、入場者数はKスタの2万5,000人に対し、東京ドームは4万5,000人で、もともと平等に分配したとしても、楽天のほうが利益が多く、巨人は損をしている。楽天は日本一になった上に、割のいい分配金をゲットして丸儲け。対する日本一を逃した巨人は損しただけだった」(球界関係者)
シリーズ後の巨人の話題といえば、小笠原道大と谷佳知が戦力外となるなど、チームのムードは沈みっぱなし。来年は日本一奪回が至上命令となりそうだが、日本シリーズの相手も観客動員数の多い本拠地のソフトバンクや北海道日本ハムが望ましいに違いない。
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