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100人にしかわからない本千冊18冊目

「11歳衝撃のヌード」だって? 大宅壮一文庫で「児童ポルノ」を漁ってみるの巻

■これは……提供罪か?

 もうネ、検索しただけで出るわ出るわ。「少女ヌード」が一種のブームになっていた70年代後半~80年代にかけての雑誌は、今では「児童ポルノ」として扱われるであろうシロモノが、アートなんだか興味本位なんだか、よくわからん視点で掲載されている。

 中でも、ガンガングラビアを掲載しまくっているのは「週刊新潮」(新潮社)である。「少女ヌードも成人する」(83年11月3日号)、「犬と少女ヌード」(80年3月27日号)「ある少女の成熟を追って」(78年3月9日号)など、写真家・清岡純子の作品を中心に掲載し、ベタ褒めしておるのだ。しかもこれらのグラビアは、写真の横に「14歳」「16歳」とか、堂々と年齢も掲載。

 この時期は、さまざまな週刊誌が少女ヌードをグラビアで取り上げている事例が多く「週刊現代」(80年6月19日号/講談社)には「ふたごの少女 11歳のメモリアル」として、やっぱり今では掲載したら「児童ポルノだ!」と逮捕されそうなグラビアも組まれている。

 さらに、こうしたグラビアが掲載されているのは男性誌ばかりではない。「週刊女性」(79年11月13日号/主婦と生活社)には「11歳衝撃のヌード」というタイトルで当時話題になっていた山木隆夫の『リトル・プリテンダーズ』(ミリオン出版)からの借りポジを掲載しておるのである。この『リトル・プリンテンダー』であるが、発売当時はモデルの年齢もさることながら「完全無修正のヌード写真集」なんだそうである。

 「週刊プレイボーイ」(79年10月16日号/集英社)の記事によれば、初版分は発売4日で完売。4版を重ねて在庫ゼロになっていることが記されている。さらに、この記事によれば「完全無修正」が話題になったためか、警視庁からもご招待を受けたことが記されている。ひっかけようと思えばひっかけられるんだぞ、ということだったらしい。何事もなくてすんだのは、山木さんや出版社側の周到さもあるが、最終的には「お毛がなくて何より」ということだったのだろう。

 当時の客層については「週刊読売」(81年12月20日号/読売新聞東京本社)で書店に取材し、次のように記している。

「私どもでは、わりと学生から中年まで各年齢層の方がお買いになってます。若い人は本を隠しながらレジに来ますね」(紀伊國屋書店)

「三十歳代から五十過ぎのサラリーマンの人たちです。昼間より夜のほうが売れますね。それもレジが込んでいるときにサッと本を取り、サッと持っていかれます。素早いですよ」(銀座・旭屋書店)

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