屠場は本当に美しかった! 今夜は焼き肉にしたくなる、ドキュメンタリー『ある精肉店のはなし』
2013/11/06 21:00
#映画
ところが、見学会は日常とは違うと感じた纐纈監督は「映画にしたいので、もう一度やってほしい」と頼んだのだ。
「簡単に応じてもらうことはできませんでした。映画になれば、それをきっかけに、また差別的なことが起こるかもしれないという不安もあったでしょう。何度も足を運び、お願いしました」
そして、2012年の3月、本当に最後の屠畜が行われることとなった。ここから始まった撮影は100時間を越えたというから、いかに熱のこもった撮影であったかは自ずと理解できるだろう。その監督の熱意ゆえなのか、映像を見ているだけでも、登場する人々の魅力にぐいぐいと引きずりこまれていく。
実は、この作品を見るまで、かつての「屠殺場」という言葉が差別的だとして使ってはならないことに疑問を感じていた。でも、この映画での登場人物の言葉を聞いてハッとした。
「命をいただくのだから、私たちは決して牛を“殺す”とはいわない」。
差別云々ではない。大事な命をいただいているのに、失礼な言葉を使っては申しわけない。
(取材・文=昼間たかし)
<上映情報>
東京:ポレポレ東中野
2013年11月29日(金)~
大阪:第七藝術劇場
2013年12月7日(土)~
詳細は公式サイトにて
<http://www.seinikuten-eiga.com/>
最終更新:2013/11/06 21:00
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
10:20更新
イチオシ記事
山岳民族に残る「嫁さらい」の実情を追う 『霧の中の子どもたち』と日本の非婚化