トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 草野仁の知られざる亭主関白時代
『話す力』発売記念インタビュー

「家族サービスは小倉競馬場だった」“テレビ界最後の大物キャスター”草野仁の知られざる亭主関白時代

B8411239.jpg

草野 福岡放送局の同僚の間では「いかに女房を粗末に扱っているか」を自慢し合っていましたからね。「このままではいけない!」と気づいたのが、なんと結婚17年目ですよ。NHK時代は「オレは働いているからいいんだ!」って威張ってるわりに稼ぎが少なくて。当時のNHKは本当に給料が安くて、民放の50~60%くらいだったと思います。

――意外に安かったんですね……。

草野 ええ。それからフリーになって、朝の番組の担当をしたんですね。朝3時半くらいに起きて、準備をして、4時過ぎに家を出て、5時に局に入るという毎日を送っていました。そんなある日、朝起きてハッと気づいたんですよ。家内は僕より30分~1時間前に起きていて、冬は部屋を暖めたり、お茶を入れたりして、準備をしてくれているわけですよ。「そうか、敵も結構大変だな」と、その時初めて思いまして。

――敵ですか(笑)。

草野 そこからは相手の立場を慮って、威張り散らさなくなりましたね。40歳くらいのことです。家内にしてみれば、そういう変化は喜ばしい、夫としてちゃんと更生の道を進んでいるそうです。ふっふふふふふふ(笑)。

――人間は、いくつになっても更生できるということですね。お年でいえば、みのもんたさん、久米宏さん、松平定知さんは同い年なんですが、お互いを意識することはありますか?

草野 昭和19年生まれ組は、いまだにみんな頑張っていますよね。私の場合は、ほかの方がみんな大きい存在だったから、みのさんや久米さんを意識するようなことはなかったですね。ただ、久米さんが『ニュースステーション』(テレビ朝日系)でやっていた、最後に軽い皮肉を込めて言い抜けるテクニックとか、参考にしたりしていましたよ。

――それが『世界ふしぎ発見!』(TBS系)で回答者をたぶらかす司会ぶりに生かされているんですね! 草野さん、最近は、真面目に見えて実はマッチョだったり、ちょっとダーティーだったりするところが注目されていますね。

草野 『草野☆キッド』(テレビ朝日系)で浅草キッドのお2人と共演してからですね。私のそういう部分を、見事に引き出してくれて。NHKにいたころはカッコつけてましたけど、そりゃ人間ですからバカバカしい部分もありますよ(笑)。

――そういう部分も、草野さんが親しまれている大きな要因ですよね。

草野 ただ、家内にはなんと思われているか。これからも真面目に、夫として更生の道を歩んでいこうと思います(笑)。
(取材・文=高橋ダイスケ)

●くさの・ひとし
1944年満州生まれ、長崎育ち。テレビキャスター。東京大学卒業後、NHKに入社。主にスポーツ・キャスターとしてモントリオール五輪、レークプラシッド五輪の実況中継やロサンゼルス五輪のスタジオ総合司会を務める。85年NHKを退社し、フリーのテレビキャスターとなる。現在、『世界ふしぎ発見!』(TBS系)、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)などに出演中。

最終更新:2013/11/06 10:00
123
ページ上部へ戻る

配給映画